読書

「春期限定いちごタルト事件」を読み直したらやっぱり面白かった

札幌に行ったときに表紙を見かけてついつい衝動買してしまった「巴里マカロンの謎」がとんでもなく面白かった件について先日書いた。pikaring.hatenablog.com惜しむらくは、なにせ11年前の新作なので一作目の内容も覚えていないし、全然続刊が出る気配がない…

11年ぶりの新刊! 小市民シリーズ最新作「巴里マカロンの謎」を読んだ

札幌出張の時に紀伊国屋書店に寄ってしまったせいで、ついつい目についた「巴里マカロンの謎」をパラパラとめくってしまったのが運の尽き。冒頭に、小鳩くんを誘ってマカロンを食べに行く小佐内さんが電車の中で、楽しみにしすぎて無意識に足をぶらぶらさせ…

ケン・リュウの「もののあはれ」を読んだ

ケン・リュウの「紙の動物園」が絶品だったという話を書いた。紙の動物園 (ケン・リュウ短篇傑作集1)作者:ケン リュウ発売日: 2017/04/06メディア: 文庫ので、続けて短編集の二つめである「もののあはれ」を読んでみた。もののあはれ (ケン・リュウ短篇傑作…

ケン・リュウの「紙の動物園」を読んだ

ケン・リュウ編の「折りたたみ北京」が猛烈に面白かったという話を前に書いた。pikaring.hatenablog.com折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (ハヤカワ文庫SF)発売日: 2019/10/03メディア: 文庫ので、編者のケン・リュウが書いた「紙の動物園」も読んでみ…

ぼくの地球を守ってを読んだ

十三機兵防衛圏がぼく地球のオマージュになっているというので、妻から借りて読んでみることにした。ぼくの地球を守って 1 (白泉社文庫)作者:日渡早紀発売日: 2013/06/10メディア: Kindle版昔の少女漫画特有のノリでずっこけるところもあったけど、やっぱり…

荒潮というタイトルはどうかと思ったが作品自体は最高に面白かった

最近はめっきりと近代中国SFにハマっている。pikaring.hatenablog.com何がいいと言えば背景となっている中国が面白すぎるのだ。アジア的SFの金字塔といえば攻殻機動隊だけれども、いまや近未来となった日本はアジア的要素が抜け落ちて、資本主義によってアメ…

折りたたみ北京を読んだ

かなり面白い。折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 5036)作者:郝 景芳発売日: 2018/02/20メディア: 単行本(ソフトカバー)編者のケン・リュウが前文で中国SFとはなにかを説明していて、その中で「中国で書かれたという偏見…

三体は革命的に面白かった

いやー、凄い。三体作者:劉 慈欣出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/07/04メディア: ハードカバーこの前読んだテッド・チャンの「息吹」も圧倒的面白さだったけれど、「三体」はまた別の次元の面白さがあるね。文化大革命の圧倒的な描写から共産党の底の…

テッド・チャンの「息吹」を読んだ

さすがに面白かった。息吹作者:テッド・チャン出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/12/04メディア: 単行本テッド・チャンといえば「あなたの人生の物語」に代表されるような、人間の自由意志とはなにかを問いかけるテーマのものが多いのだが、本書もやは…

週刊誌を発売日に買うのは負け組?

網棚に落ちているのを拾ってくるとかそんな話ではなく。 本を読むならKindle Kindle便利です。紙の本を買うことがほとんど無くなってしまいました。 Kindle Wi-Fi、キャンペーン情報つきモデル 出版社/メーカー: Amazon 発売日: 2014/10/02 メディア: エレク…

読むけど書けない

いい感じに本を読んでいるんだけどなかなか感想を書く感じになれないのはなんでだろう。 最近職場でパソコンを使って編集作業ばっかりしているから、家でもパソコンの前に向かって文字を打つ気に離れないのかもしれない。 もしくは、気合いを入れてメールを…

読書熱は覚めやらぬ

うん。一度燃え上がったおかげでどんどん読める。『背の眼』が冗長だったせいでしばらく遠ざかっていたけどやっぱり読書はええなあ、と思うのですよ。気持ちにざらつきがあっても文章のリズムがそれをフラットに慣らしていくような、そういうところがある。 …

人の死ぬ話を読むには精神力が必要

というわけで緋色さんから借りていた本第2弾。やっぱり文章を書いている人は読む本もセンスがあるなあ。自分も学生時代とか、ラノベばっかり読まずにこういう本格SFを読んでおくんだった・・・。 みんな行ってしまう SFというよりホラー色の強い短編集なの…

読書脳になってきた

仕事が忙しいのを言い訳に全然本を読まなくなってしまいました。 一度ブランクが開くとなかなか戻ってこれないのが読書という趣味のハードルの高さなのだなあ、なんて他人事のように思ってぼんやりしていたんだけど、人から借りた本だけはなんとか読んじゃわ…

長すぎると困る

途中まで好調に読んでいたのにかなり間隔が置いてしまった。原因はこれ。 背の眼 道尾秀介の記念すべきデビュー作、なのはいいけれどとにかく長い! これでもかというほど長い! 長くても面白ければいいんだけど、その分内容が薄まっちゃってて読み終えるの…

食事時には読まないで

グロテスクな本を読む時にはこういう注意をするのが定番だけど、グロテスクかつ食事シーンが満載な場合はどうしたら良いのでしょうか。 ダイナー というのがこの本。食欲が湧く→読みながら食べる→吐き気がするの悪循環。 平山夢明といえば自分内で「他人にオ…

ゴールなんて無い

一人の人間にむけてメールを書くのにも悩んで消して言葉を選んで書いているのに、小説家という人はどうやって不特定多数の人に見せる文章を書くことができるんだろう、などと考える今日この頃です。 掌の中の小鳥 「駒子」シリーズ以来ひさびさの加納朋子。…

読むべきタイミング

ほかにやるべき事もあろうに、暇さえあれば本だけ読んでます。身の回りに考えてもしょうがないことが多すぎるのかもしれない。現実逃避の方法としては健全だからいいんだけどね。 大人の友情 河合隼雄って面白いね〜って言ったら「今さら!?」って驚かれた…

そんなに純粋じゃない

前回は5日に3冊と言っていたが今回は4日で3冊。なかなか良いペースになってきた。ガシガシと読んでいるせいか本から受ける感動の量も増えている気がする。これも良い傾向。 花と流れ星 シリーズものだと知らないで読んでしまった! けど面白かったので良…

一歩ずつ振り返るように

5日で3冊は多いようでいて少ない。本来ならば一日に一冊ぐらい読めるような生活がしたいなあ。 「また桜庭一樹読書日記」が更新されていたので、空いてる時間を使ってほそぼそと読んでいる。更新される度に第1回から読み直しているので、これで66回ぐら…

読んでないようで読んでいる

余計なことを考えたくないときには読書に限る。これ以上先に何も無いのだとわかってしまって絶望している時は特に良いよね。 天地明察 時代小説で歴代ナンバーワンの面白さだった。本屋大賞1位も文句なしの一冊。 主人公が碁打ちというのが感情移入しやすい…

ヘブン

なんで小説を読んだだけでこんな吐き気がするほどの憂鬱に襲われなきゃならんのだという気持ち。たまにあるんだけど、自分以外の誰にも絶対に読んでもらいたくない本、逆オススメの本がこれ。 うまく言葉にできないけれど、とにかくひどい。治療しないままに…

読書の黄金週間

ひたすら読んで、合間に世界樹という生活。4月は全然本を読まなかったんでそれを取り戻すかのようです。自分には一定量の活字がストックされていないと生きていけないのかもしれない。 光媒の花 自分好みの連作短編集。虫媒とは虫を介して交配すること。風媒…

二日酔いのおかげではかどるはかどる

二日酔いと言うか風邪の悪化のため布団から出られない状態だったけど、幸いにして頭の方はわりとクリアだったのでガシガシ本をよむことができた。ここ最近読み終えたものとまとめて紹介。 SOSの猿 もう自分と伊坂幸太郎の相性は最悪なのかも。序盤こそ面白げ…

だから、男と女はすれ違う―最新科学が解き明かす「性」の謎

いくらブログを書く気力が無いからって、とりあえず書名だけでも控えておかなきゃ読んだことを忘れてしまう。 夫婦喧嘩がエスカレートするメカニズムとか、Y染色体が消滅しつつあるとか、その他にも「地図が読めない女」という嘘などなど、雑学がいっぱい詰…

花や散るらん

葉室麟を読む度に文句を付けているような気がするんだけど、今回は面白かった。時代モノの面白さというのは、史実の中に創作をうまく混ぜて行くところだと思うんだけど、それが自分にはどうしても「史実が足を引っ張っている」ような気がして楽しめなかった…

第81Q戦争

このうちの「ナンシー」という短編を急に読みたくなって借りてきた一冊。 地球から15億マイルの彼方の深宇宙を探査する軍人は、孤独に耐えきれずに精神が破壊されることが無いよう、脳にウィルスが埋め込まれる。装置を働かせればいつでも”ナンシー”が目覚め…

鹿鳴館

『青い花』5巻で演じられているのをきっかけに読んでみた。井汲さんが演じていた朝子さんがどういう役回りなのかを知るのが目的だったんだけど、それ以上に三島由紀夫の耽美かつ誇り高い文体にまいってしまいました。 二人の男の間で揺れ動きつつ、最後には…

私の家では何も起こらない

期待したとおりの恩田陸らしさで満足。どの作品にも作者自身の影が顕著に感じられるのが恩田陸の特徴だと思っている。語り手として、登場人物の一人として、そして作品全体を監視する神として、いたるところに偏在している。 冒頭で女性作家がこう語る。 私…

男の隠れ家を持ってみた

事実は小説より面白くない。 (はてな年間100冊読書クラブ 249/229)