旭岳・富良野・二風谷2020 その6 〜芦別〜

富良野サイクリングでへとへとになったあとは、芦別のスターライトホテルへと向かった。
www.starlight-hotel.co.jp
ここはもともと国民宿舎だったものが、経営母体がリゾートホテルに変わって超モダンにリニューアルされ、評判を博していると聞いて泊まってみることにした。
国民宿舎だといえば「あわび山荘」のイメージが強い。
pikaring.hatenablog.com
料理は良かったけど建物が旧共産圏チックと言うか、旅館というより官舎的で面白かった記憶がある。

しかしスターライトホテルは完璧にリニューアルされて、家族連れにも優しい暖かく柔らかな雰囲気のあるモダンな建物に一新されていて、「これが文明だ!」と恐れ入った。
床は裸足でも歩けるふわふわのカーペットで、お風呂上がりに5,000冊の漫画を読みながらゴロゴロできるおまけつき。
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ウェルカムカツゲン&蒸したて温泉まんじゅうも嬉しいサービス。

ホテルは芦別の市街地からかなり離れた山の上にあるのだけど、その道すがら5、6人の中学生が自転車で降りてきて「わざわざ何のために?」と思ったけど、もしかしたら朝から晩までここで過ごしているのかもしれない。
この芦別にあって、ここだけ都会の雰囲気がビシビシ伝わってきて凄かった。

温泉は鉱泉を加熱循環ろ過しているので泉質自体は大したことがないんだけど、まさにその鉱泉をかけ流ししている水風呂があったので全部許した。
硫黄を含んで白濁した冷泉はキリッと冷えて、昼間のサイクリングで火照った体をやさしく冷やしてくれる。
これだよこれ。
湯駒荘にもこれがあったら120点だったのになあ。

サウナが2種類あって、テレビありの乾燥サウナと、テレビなしの湿式塩サウナが揃っているのもポイント高い。
塩サウナは置いてある塩を体に乗せて、塩と一緒に皮膚の老廃物を溶かして出そうという仕組みなのだけど、入り方の解説がないせいか誰も塩を使っていなかったのが面白かった。

露天風呂には「星空スイッチ」なる、3分間だけ照明を落として夜空を見れるというギミックがあった。
しかし実際に試してみると、消防法の絡みか完全に照明が落ちるわけじゃないので結構明るく、期待したほど星が見えるわけではなかった。
しかも24時にはお風呂が閉まってしまうので、深夜に近所まで星を見に行って、それから温まるために入るという使い方ができないのも残念。


スターライトホテルというだけあって望遠鏡を使って星を見せてくれるツアーがあったりするんだけど、この日はあいにく満員で断られてしまった。
三密を避けるために人数を絞っているから仕方ないんだけどね。
HPでは建物の上に星空を眺められるテラスがあると記載があったのだけど、それも今はやっておらず、近くまで歩いて見に行くのだとか。
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仕方がないので、夕飯後に個人的に星を見に行くことにした。
幸い芦別は市内のどこからでも天の川が見えるという星空天国だ。
道の駅で配っていたガイドブックによると、ホテルまで登ってくる坂道の途中に看板があった上金剛山展望台が良いとのこと。
go-to-ashibetsu.com
妻に車を運転してもらって出かけたのだけど、これがとてつもなく険しい道だったのでまいった。
車が一台通るのがやっとの未舗装路を延々と登っていかなければならず、しかも割と頻繁に対向車が来るのでその度に待避所まで引き返す必要があって往生した。

ここはガイドブックに「命よりも星が大事な人向け」と大書しておくべきだろう。
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命がけでたどり着いた上金剛山展望台はさすがに星空が美しく、天の川がバッチリと見えた。
ベンチに寝転がって見上げていると、特に流星群の日でもないのにやたらと流れ星が見えた。
普段から頻繁に落ちているけど、夜空が明るすぎるせいで見えていないだけなんだなあ。

そんなこんなで星空や夜景はきれいだったんだけど、帰りの下り坂も怖くて本当に大変だった。
初心者マークのMINIが登ってきて、こちらが後ろを見ながらバックしているのにぐいぐい距離を詰めてくるし、まじやばい。
坂で向かい合ったら下る方の車が譲るのがルールだけど、下り側がバックで山を登って待避所まで戻らなきゃならないシチュエーションでもそうなのか?
「基本的に登り優先」とバカの一つ覚えで言うような連中は、エア山登り勢に違いない。


話は一旦戻ってご飯について。
途中で食べてくるかもしれないと思って夕飯なしのプランにしたんだけど、結局時間が合わなくてホテルのカフェで食べることになった。
ここのメニューが結構良くて、どれも美味しそうで選ぶのに相当迷った。
注文したのは源泉蒸しと炭鉱ザンギ。
蒸した肉や野菜を温泉卵に漬けて食べるのがスマッシュヒット。
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ザンギは色が黒いけど味は普通にザンギで普通に美味しい。
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お酒のメニューも豊富で、ビールはSORACHI1984があるし、最近ブームのブラックニッカのジャーハイもあった。
ジャーハイの大葉は結構気に入ったので、自宅でも試してみたい。

朝ごはんは普通にビュッフェ形式だったけど、お惣菜系が地味に美味しくて良かった。
たけのこの煮たやつとか、ナスの煮浸しあたりの渋いところのレベルが高い。
カラフルな卵焼きもその場で焼いていて隙がない。
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総じてスターライトホテルは良いところだった。
施設は新しいしサービスは充実しているし、料理も美味しい。
温泉が循環ろ過だったり、ウリである星空関係が微妙だったところもあるけど、そこはボーナスポイント部分だから、基本の部分では結構良かった。

北の京芦別が亡き今となってはスターライトホテルが芦別観光の生命線なのでかなり力が入っていると感じた。
芦別自体にそれほど観光資源があるわけじゃないのでメインで行っても仕方がないけど、道内旅行の中継地点として混んでいる富良野を外してここに泊まるというのはアリかもしれないね。