スター・ウォーズ 最後のジェダイ
スター・ウォーズはいいよね。こんな田舎でも公開初日から見られるし。ま、ガルパンとかブレランだって遅れて上映するだけマシか。
というわけで、ここ2回ぐらいは(あんまりおもしろくねえなあ)と思いながらも惰性で見に行っているスター・ウォーズを見てきました。
前作のエピソード7は、新シリーズの初回にしてはEP4のセルフパロディみたいな内容だし、敵の親玉のカイロ・レンが小物すぎるし、「現代の映画だから黒人を入れなきゃ人種配慮的にアレだしね」とねじこまれたフィンが雰囲気ぶち壊しで、レイちゃんはかわいいけど主役は完全にハン・ソロだし、なんだかなーという感想でした。
今回もどうやら評判が悪いみたいで、ネタバレを踏まないようにタイトルだけ見て「ふふーん」と読み流してはいたんですが、ハードルをしっかり下げてから見に行くことにしました。
意外に良かった
そんな感じで全然期待せずに行ったんですが、意外や意外、結構面白かったです。
まず良かったのが、前作のラストでついに姿を現したルーク・スカイウォーカーが、あの絶海の孤島みたいな島でどうやって生活してんだよ、というのがきちんと語られていたところ。結構サバイバルしていて意外と楽しそうだった。
旧三部作で元気だったルークが、全てに絶望して老いさばらえて枯れてしまった感じがよく出ていたのも良かった。フォースの力は光と闇。光が強くなりすぎると闇もまた勢力を伸ばしていくということが分かっていながら、甥っ子を招いてジェダイ寺院の真似事みたいなことを始めて、そのせいでダークサイドが強くなってしまったわけで、カイロ・レンがダークサイドに堕ちたのもファーストオーダーが暗躍しているのもすべて自分のせいだと分かっているんですね。だから自分が最後のジェダイなのだと、自分とともにジェダイが滅びれば闇の力も衰えるだろうと考えて絶望している。そういうところに旧三部作からの屋台骨がしっかりしていると感じて好感を持てました。
レイは希望
そんな老人のところに突然現れたレイは元気いっぱいのおてんば娘で、ルークにライトセーバーで切りかかったり寝ぼけてブラスターをぶっ放したり大暴れなんですが、実は心に深い悩みを抱えているというところが女性ヒーローらしいところ。彼女の悩みは自分の出生についてで、前作では「もしかしたらハン・ソロの隠し子なんじゃないか」とか、もしくはルークが「私がお前の父親だ」と言い出したりするんじゃないかとハラハラしていて、カイロ・レンと結ばれそうになって「実は兄妹でしたー」みたいな旧作オチは勘弁してほしいでござると思っていたんですが、ついに、レイの両親が
誰でもない
ことが判明。特に名のある誰かではなく、帝国に追われやむなく彼女を捨てた同盟軍の勇士でもなく、飲んだくれて野垂れ死んだただの人だということ。ルークは「おれのせいで世界が闇に覆われてしまう」とくよくよしていたけれど、フォースはそんな個人の思惑とは関係なく、自然にバランスを取るようにできている。カイロ・レンのように強力なダークサイドが現れれば、どこからともなくレイのようなヒーローが現れる。
そういったところにも旧1~6部までの血縁を軸としたストーリーへの決別を感じさせるつくりになっており、EP9への期待が大きく膨らむところでした。
フィンが完全にお邪魔虫
で、懸案事項だったおもしろ黒人枠のフィンは完全に大筋のストーリーから排除されて、フィンの登場シーンだけカットすれば完全版EP8のできあがり、という具合になっていたので一安心。レイ×フィンはさすがにアカンやろと思ったのか不細工なアジア女をあてがわれて、ドタバタしつつまともに活躍していたのはBB-8のみ、本人たちは全く何の役にも立たないというお邪魔虫扱いで、ほっと胸をなでおろしました。
ハリウッド映画の黒人枠はポリティカリー・コレクトの最も害悪なところで、スター・ウォーズなんて「遠い遠い昔の話」であって地球の現生人類とは縁もゆかりもない種族であるわけで、アフリカから発生してユーラシアに広がるに連れて人種が別れた経緯とか全く関係がない。さらにいえば、仮に人類が銀河系に進出して何千年もたったなら混血が進んで黒人も白人も無くなって、都合よく解釈すれば太陽からの強い紫外線を浴びることがなくなったために全員白人化していると考えたって不思議じゃない。つーか異星人を出しているんだから人種多様性は十分に発揮してるじゃん。
そういう理屈をガン無視で「こまけーことはいいんだよ。ポリコレポリコレ」と言わんばかりにねじ込むと脚本がおかしくなる好例がEP7でしたね。そこらへんをうまく舵取りしてくれたので良かったです。パシリムみたいにカッコいい役ならいいけど、オミソで混ぜられるのはお互いに不幸じゃないですか。
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そういえば劇場の予告編でブラック・パンサーの予告編をやっていたんですが、こっちはアフリカが舞台なだけあって敵も味方もモブも黒人で、どれが正義でどれが悪なのかの区別がつかないカオスっぷりで驚きました。
本編のインフィニティウォーでもブラック・パンサーが登場するけど数人のヒーローの中のひとりなので、もしかしたら画面占有率における黒人割合をクリアできなくて、炭素排出量取引みたいに「こっちの映画で黒人をたくさん出すからこっちは少なめでお願いします」とかやっていたら面白いなあ、なんて妄想してしまいました。
それができるのなら「スター・ウォーズ フィンの大冒険」と題してスピンオフでまとめちゃった方が全体的に良かったんでないかな。
ハン・ソロが主役のスピンオフはどうかな
旧三部作の主役はほとんどハン・ソロみたいなものなのでスピンオフは楽しみなんですが、
EP7のことを思い出してもハン・ソロがすごいというよりも、ハリソン・フォードの存在感がすごかっただけのような気もしなくもない。まあ、なんだかんだで見に行くと思うんですけどねw