クリスマスに作りたい、失敗知らずのローストチキン

近所のスーパーで丸鶏が1、000円で売られていて、賞味期限が近くなると半額の500円になるのをよく見ていました。とはいえ鶏をまるまる一羽だなんて普通の日の夕飯に食べるのには手に余るため、興味があってもなかなか手を出せずにいました。

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そんな折、折よく金曜日に半額シールが貼られたものを発見! これはチャレンジしてみるしか無い\(^o^)/

誰でも失敗知らずの真空調理ローストチキン

普通のローストチキンは鶏をまるごとオーブンに突っ込んで焼くわけですが、一羽まるごとなので中まで火を通すことが難しく、かと言って火が強すぎるとコゲコゲになってしまうという、シンプルな割に非常に難易度が高い料理です。鶏の重さを測ったり室温にしたり、厳密に戦おうとすれば綿密なる戦術が必要になるとのこと。

そーゆーのはプロに任せておくとして、私が使うのは文明の利器です。

要するに、鶏を焼く前に加温してそのままでも食べられる状態にしておき、仕上げに表面だけパリッと焼き上げれば失敗する余地がないだろうという作戦です。

といっても何度まで加熱するか、どれだけの時間加熱するかは難しいところ。鶏肉は生焼けによる食中毒が特に怖い食べ物なので、より安全側にマージンを取ったほうが良さそうです。

カンピロバクターについて東京都健康安全研究センターが出している資料がこれで、50℃ぐらいでも長時間加熱すれば菌は死滅するとのこと。意外と弱い。

くらしの健康(第7号)

とりあえず今回は超安全に豚肉基準として、63℃で9時間やってしまうことに決めました。この温度であればどれだけ時間が長くても菌が増殖することは絶対にない(タンパク質が壊れるので)ので、最悪パサパサになるかボソボソになるかするかもしれないけれど、命あっての物種ですからね。

まず下ごしらえとしてセロリ、人参、マッシュルーム、玉ねぎとニンニクをみじん切りにして、鶏の腹の中に詰め、余ったのはジップロックに詰め込みます。通常ならオリーブオイルか何かを加えて袋と食材の密着を図るのですが、今回はコンソメを溶かした水を100cc入れてみました。

朝に仕込んで用事を済ませて夕方に帰ってきたときの様子がこちら。

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念のため鶏肉に竹串を刺してみると、思ったとおり透明な汁が出てきます。もうこのまま食べれる状態ですが、最後にちょっと手間暇をば。

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鶏だけ取り出して野菜を詰めて、クレイジーソルトをまぶしてオリーブオイルを塗りたくり、250℃に予熱したオーブンで20分程焼いてみました。これは焼き色を付けて皮をパリッとさせるだけが目的なので、頃合いを見ながらでオーケーです。

さらにこの間に、ジップロックの中に残った鶏汁と香味野菜を鍋に出して、水を加えて塩で味を調整してチキンスープを作っておきます。

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出来上がりの味は

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予想通りの仕上がりで、期待以上の味わい。これが真空調理の醍醐味ですね。とにかく美味しい。

特筆すべきは表面の皮で、オリーブオイル効果で香ばしく焼きあがったパリパリのところを食べると最高です。なるほど北京ダックは皮だけ食べるものであるわけだ、と納得。

一番肉が多い胸肉の部分はさすがにぱっさり気味でしたが、肉の味が薄いぶん香味野菜の風味が感じられて上品な仕上がりです。裏面にあるにも関わらず火が通っていない場所など1ミリもなく、骨離れが良くて食べやすい。

さらにおまけの野菜チキンスープは、鶏の旨みが染み出して非常に滋味深く、体が喜ぶ味に仕上がりました。次回は水の量を200ccに増やしてみようかしらん。胸肉のパサつきを防ぐために海水に近い3%ぐらいの食塩水に漬けておくという技もあることだから、塩の量を増やしてみようか。

そんな感じで、野菜代を含めてわずか1000円足らずで、しかもほとんどほったらかしているだけで最高のローストチキンが完成しました。すくなくとも出来合いのものよりは断然美味しいので、クリスマス時期になったらまた作ってみる予定。

まだANOVAを持ってないひとは、今年のクリスマスプレゼントにお願いしてみたらどうかな?