ANOVAが使えなくても低温調理ローストチキン

土曜日にスーパーに行ったら丸鶏が2割引の800円で売っていたので、ローストチキンにするべく購入。

一人分400円と考えると非常にコスパが良いけれど、なにせ時間がかかる料理なので休みの日と割引が揃った日にしか作ることができないのだった。

ところが、帰宅して下ごしらえをしようと思ったら、ANOVAを使うためのアダプタがないことに気がついた。

ANOVAはアメリカ製なのでコンセントの穴が三穴で、アダプタが無いと普通のコンセントでは使うことができないのだ。

外出している妻にSMSで聞いてみると、新居の方で使うのに持っていってしまったとのこと。

新居のキッチンには三穴のコンセントをつけたのだが、その他の部屋には無いので仕方のない話である。


そこまで取りに行くのも面倒くさいので、極めて原始的なやり方で低温調理してみることにした。

まずセロリ・パプリカ・人参を大きめのみじん切りにし、ジップロックに丸鶏と一緒に入れ、そこに1リットルの水を注ぎ込む。

さらに圧力鍋に水を張ってお湯を沸かし、沸騰したところで火を止めて、ジップロックを投入して蓋をする。

それから15分おきに温度を測ってみて、70度を下回ったらごく弱火で加熱し、また15分たったら火を止めて、を繰り返した。

圧力鍋は水量が多く、超弱火くらいだと15分かけても70度未満を沸騰まで持ってこれないのでわりとちょうどよかった。

こんな感じでおおむね2時間くらい、70℃未満と以上を繰り返したところでジップロックを取り出す。


この作業により、丸鶏にはほんのりと火が通っているし、さらに香味野菜の風味がつくというわけだ。

ジップロックに入れた水には鶏の旨みが染み出しているので、こいつは野菜ごと鍋に移し、そこに玉ねぎとトマトを入れて、鶏を焼いている間にミネストローネにするのだ(ネコが鶏肉を食べたがるので香味野菜のうち、玉ねぎは後入れにしておくのが無難)。

オーブンを200度で予熱している間にローストチキンのタレを作る。

タレと言っても簡単なもので、醤油と味醂と酒を混ぜて隠し味にオイスターソースを加えたものを軽く煮切って片栗粉を加えてとろみをつけたもの。

オーブンに鶏を乗せたら刷毛でタレを塗って200度で15分。

その後もう一回タレを塗って、焦げすぎないよう表面にアルミホイルを乗せてもう15分くらい焼く。

ミネストローネの方はローリエとブイヨンと追いコンソメをして、コクが足りない場合は粉チーズを加えるとそれっぽい感じになる。

完成

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一旦鶏を水煮してから焼くという、ローストチキン警察に逮捕されそうなメニューだが、生鶏を焼くのに比べて未加熱の心配はないし、肉がホロホロになっていて非常に美味い。

単純に水煮にする場合は鶏が浸かるだけの水量がなければならないし、沸騰してしまうと沸騰した泡が肉を粉々にしてしまうので良ろしくない。

ジップロックに入れた場合、ジップロックの中の水と鍋の水は交わらず、表面だけで熱交換することになるので、熱の緩衝材になることが期待される。

つまり、鍋の水が熱くなりすぎてもジップロックの中に伝わるまでにタイムラグがあるため、ANOVAを使わない原始的な方法でも、ジップロックの中はある一定程度の温度を保つことができるのではないか、ということ。

さらに、胸肉の唐揚げを美味しく作る方法として、揚げる前に水につけておくことが挙げられるように、水煮することでパサパサになりがちな胸肉を美味しく食べることができるというおまけが付いてくる。


基本的に丸鶏は、その大きさの割に食べるところが少ない。

よく「北京ダックは皮だけ食べる」と言われるが、美味しそうに焦げる背中の部分にはそもそもほとんどお肉がないのだった。

もも肉と、裏返したところにある胸肉がメインなので、胸肉がホロホロと美味しいのは結構重要だったりする。

ミネストローネは万能

期せずしてミネストローネが1リットルもできてしまって持て余しがちなんだけど、結構大胆にアレンジしていけることが分かったので、不足しがちな野菜を食べるために積極的に作っている。

初日は普通にスープとして食べるとして、二日目は残った半分にサバ缶を足してパスタにしてしまう。

さらに残りは炒めたひき肉をまぜてカレー粉を加えて、キーマカレーにしてしまうと最後まで飽きずに食べられる。

トマトベースは世界的に裾野が広いから応用が効きやすくて捗る。

和食系だとなかなかこうはいかないのが難しいんだよなあ。まあ、豚汁を野菜たっぷりで作れば続けて食べても飽きないからいいんだけど。