滂沱

正月休みに向けてどっさりと本を仕入れてきた。Let's猛読!
 

将棋の子

イムリーな一冊。

将棋の子 (講談社文庫)

将棋の子 (講談社文庫)

竜王戦やら情熱大陸やらで盛り上がっているところだったので、かなり思い入れをもって読むことができた。思わず電車の中で号泣してしまいそうになったけど。
脚光を浴びるプロ棋士たちの裏には、年齢制限という壁に拒まれて名人への道を諦めて去っていった、何人もの少年たちがいる。26歳、数字だけ見れば大人だけれど、世間の常識とかけ離れた世界でずっと過ごしてきた”棋士崩れ”の彼らは一般社会では赤子同然なのだ。将棋という実生活では何の役にも立たないものに人生を狂わされてしまった彼らの、その後の物語はあまりにも残酷だ。
だけどそれは、あくまで我々、ただの人間の目線に過ぎない。実際に将棋に生き将棋に死んだ彼らからすると、自分の夢を砕かれた奨励会での思い出は、自らの精も根も燃やし尽くした、輝かしい思い出となってそれからの人生を支えているのだ。
3月のライオン宗谷名人のことを零が「神さまの子供」というけれど、この本を読んで自分は、奨励会で戦う少年たち全てが「神さまの子供たち」であると感じた。神へ近づくことを目標に、自分の全てを将棋に賭ける姿勢はあまりにもピュアだ。ただ、その純粋さゆえに汚れた我々の世界では、生きがたい。
もっと早く読んでおくべきだったけど、今読んだから100%楽しめたのだとも思える一冊でした。
 
はてな年間100冊読書クラブ 156/200)
 

宇宙はジョークでいっぱい

SFマンガを書くなら。

宇宙はジョークでいっぱい―宇宙開発ちょっといい話 (角川文庫 (5943))

宇宙はジョークでいっぱい―宇宙開発ちょっといい話 (角川文庫 (5943))

ジョーク自体は英語が分からないと分からないけれど、宇宙開発に携わる人々の雰囲気はよく分かる。某SFマンガの元ネタを発見したのは嬉しかった。
純粋に宇宙開発エピソードが知りたいのなら、スペースサイト! 宇宙開発史 / 天文の話題がオススメ。特に『ロシア宇宙開発史』は燃える。実際に宇宙船も燃えている。
 
はてな年間100冊読書クラブ 157/200)