君は秒速16振動のスイープ運針を見たか 『ブローバ プレシジョニスト』

買っちゃった。

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こちらはアメリカの腕時計メーカー、ブローバのプレシジョニストというモデルになります。

評判通りの高級感。ギラリとして重厚で、バンドはもちろん無垢。板巻とは全然違いますね。

最近仕事で偉い系の人とご一緒する機会が増えてきたので、押し出しが良くてゴージャスな、スーツの袖からチラリと見えても存在感が抜群な腕時計が欲しかったところでした。いや~、これはいい。

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定価450ドルの値札がついてましたが、4,500ドルって言っても通用するんじゃないかと思います。

時計屋の店員も驚きの超絶機構

バンドが無垢だと、調整には専門の工具が必要になります。

ブルースタイル 時計工具4点セット

ブルースタイル 時計工具4点セット

板巻だったら千枚通しとラジオペンチでどうにかなるんですけどね。せっかくだから工具を買っても良かったんですが、無垢のベルトを傷つけたら怖いので、素直に時計屋さんに持って行ってコマを詰めてもらいました。

調整が終わって返してもらう時に一言店員さんが、

「これ、機械式ですか?」

と言いました。ニヤリ。わたしは心の奥でほくそ笑みました。

「違うんですよ、これはクォーツだけどスイープ運針なんです」

そう言って見せびらかす時の優越感! いや~、店員さん。分かってるね!

クォーツなのにスイープ運針

クォーツの時計といえ1秒に1回動くステップ運針です。個人的にはその動きに安っぽさを感じてしまって機械式を買っているんですが、ブローバのプレシジョニストは超絶技巧によって1秒間に16振動という超ハイビートを達成しているのです。

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一般的なクォーツは振動子が2本のところ、3本めの振動子を追加したことによってクォーツの振動数を、通常1秒に32,768Hzのところを262,144Hzへと8倍も向上させているのです。

これだけだったらタダのマニアックな腕時計で終わりですが、振動数が向上することはダイレクトに腕時計の精度にも繋がるため、この時計の年差はなんと±10秒! グランドセイコー並の年差クォーツです。普通のクォーツは「月差」±10秒といったところですからね。


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スローモーション撮影で、確かに1秒間に16振動しているところが確認できました。


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ちなみに以前購入したセイコーのコンテンポラリーベーシックは、240fpsでも捉えられないほどの完璧なスイープ運針でしたとさ。セイコー恐るべし! 精度には寄与してないかもだけどね。

pikaring.hatenablog.com

重厚すぎる悩みも

ずっしりとした重みに感動したので実測してみることにしました。

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その結果、なんと188g! iPhone6より重いだと……!

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ちなみに最近よく使っているオリエントは116g。機械式よりも重くて分厚いクォーツってwww

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買ってみた感想としては、見た目が派手な割に中身もいいという結果になってしまいました。ベタ褒めか! いや、でもこれは多分きっと、今まで買った時計の中でも一番他人に進められるものかもしれない。機械式時計なんて誰も買わないし、Pebbleみたいなスマートウォッチも人を選ぶ。それに比べてブローバのプレシジョニストは、普通にクォーツだし、実用性も高いし、まあ死ぬほど重いけどデカアツが好きな人は結構多いしね。

というわけで結構オススメです。冬は革バンドの時計を買おう。