死ぬかと思った

多分風邪のせいなんだけど、左目の奥と右側頭部がガンガン痛くなって大変だった。
一日休んで大分良くなったけど、普段頭痛なんてなることないからすごく怖かった。ふへ〜。
 
体調が悪くてずっとパソコンに触ってなかったので読書記録がたまってしまった。今日は4冊まとめて。
 

名人に香車を引いた男―升田幸三自伝 (中公文庫)

名人に香車を引いた男―升田幸三自伝 (中公文庫)

「昔は良かった」というセリフを聞くたびに美化されすぎているイメージに反吐が出る思いをするのだけど、この本で語られている昭和の世界はあまりに魅力的だ。もちろん「三丁目の夕日」的な魅力ではなく、未開の地としての魅力がそこには存在しているのだ。大探検時代としての昭和。無知が無知としてではなく、未知として捉えられる昭和。それは升田幸三のあまりに有名すぎるこのセリフにこめられている。
 
「名人に香を引いて勝ったら大阪に行く」
 
升田少年が広島の山奥から天下一の将棋指しになるべく家を出るときに、母の使っていた物差しの裏に書いたこの決意文だが、どこか意味が通じない。「名人に香落ちで勝つ」そしたら「大阪に行く」。どうしてこの2つが繋がるのだろう。それは各地に名人がいると思っていた升田少年の勘違いであり、"広島名人"に香を落として勝てるようになったら大阪にいる"真の名人"に挑戦する、という意味なのであった。仮にも将棋で身を立てようとする人間にも関わらず、このぐらいの認識であることに衝撃を覚えた。なんという非情報化時代
 
いまや情報を持っていることはなんのアドバンテージにもならなくなってきている。それは現在が情報化時代だからなのだろう。全員が"知っていること"を前提として成り立っている時代なのだから当然ともいえるが、近代までは情報にものすごい価値があったことを思うと面白い。
石器時代に鉄器を持っていることは大きなアドバンテージだが、鉄器時代になるとそうではなくなる。前時代に”それをもっていること”が有利になるようなものが、次の時代の主力になるのだろう。では情報化時代に持っていると有利なもの、情報化時代の次の時代とはどんなものだろうか。
 
71/100
 
 
構想力 (角川oneテーマ21)

構想力 (角川oneテーマ21)

 
三手の読み。最善手。バランス感覚。いろんなことを将棋から学ぶことができる。
将棋には偶然の要素が無い。つまり、運否天賦ではダメということ。乾坤一擲、全てをかけたこの一打というのは論外だと切り捨てる。ものすごく残酷かつ、ものすごく平等な世界が81マスの中に存在していることを改めて思い知らされた。
将棋にどう生かすか、ビジネスにどう生かすか、というのは愚問。天才棋士の思考の一端に触れることによって、受ける刺激こそが一番重要なのだと思う。
 
72/100
 
 
重力ピエロ (新潮文庫)

重力ピエロ (新潮文庫)

 
良くも悪くも相変わらずの伊坂節。レイプ、仙台、兄弟愛。三題噺か、とあきれる気持ちもあるのに面白いのだからたまらない。
弟の目的は割と早めに気づいたけれど、最終的に兄も同じ目的だったと知った時には驚いた。ここも二重螺旋ですか、と。次はラッシュライフを読もう。
 
73/100
 
 
私が語りはじめた彼は

私が語りはじめた彼は

 
『風が強く吹いている』のイメージで読み始めたら、いい意味で裏切られた。一人の人間によって微妙にゆがんでしまった人々の生活がオムニバス形式で収められているのだけど、作品間での共有認識のあまりのとぼしさに衝撃を受ける。隣の芝生は青く見える。だけど本当は・・・、というヒューマンホラーだ。本当のことは最後まで語られないし、誰も本当のことを言っているかどうか分からない。
端麗な文章と計算されつくした距離感に脱帽。おそれいりました。
 
74/100
 
 
タイトル戦ぐらいは自分の手で実際に駒を並べたりするくらい将棋熱が高まっているので、ここぞとばかりに集中読書してみた。明日の竜王戦も楽しみ。渡辺明竜王には是非4連覇してもらいたい。
伊坂幸太郎のおかげで読書の楽しさが戻ってきた。読書エンジンに火が入った、といったところか。
今回の三浦しをんのように、全然違う側面を見るのも読書の楽しみの一つ。それでがっかりすることもあるけれど、それも含めて楽しめると良いと思う。
 
冬で電車が込み始めたので、帰りはなかなか座って本を、という感じにならない。土日を使ってしっかり読もう。

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