第68期順位戦開幕

今期はB級1組が熱い。タイトル7つのうち羽生名人が4つを保持し、残りの3つが(A級ではなく)B級1組にあるというのを考えると、むしろA級より厳しいのではないかと感じられる。
 
そんなB級1組から順位戦が開幕。注目はやはり渡辺竜王VS屋敷九段。忍者屋敷を魔太郎がいかにして攻略するかが見物だったが、玉を固めて駒損しつつも細い攻めを繋いでいくという、いかにも竜王らしい攻め筋が出て快勝。

3五銀と差し出して駒割りは先手不利なはずだけど、局面は先手優勢に見える。もっとも当の渡辺竜王はブログで

1図以降はずっと自信がなかったのに3図では好転していた、でも後手のどこが疑問だったのかは分からない、という不思議な将棋でした。
感想戦で木村八段に
「何か後手が明快に良くなる手あったんじゃないですか?」と聞くと
「いや控室では、むしろ渡辺さんのほうが良いんじゃないか、って」と言われ、うーむ、そうなのか、と唸るばかり。ただ、自分としては将棋の作りがまずく、暴れるしかないような展開にしてしまったのは反省点です。
B級1組順位戦1回戦、屋敷九段戦。 - 渡辺明ブログ

と振り返っているのがおもしろい。
渡辺竜王は玉形の差と、駒の損得、このふたつのバランスを図って攻め込むのを得意としていて、無理攻めに見えて成立している展開が多いのでハラハラできて楽しい。昔は穴熊にしっかり固めてから攻める戦法が主流だったのが、最近は守りが不完全でも相手より固いと見るや切りかかる将棋が増えてきているのでよりおもしろくなっている。
 
深浦王位と久保棋王も順当に勝ち。今期の昇級争いはこの3者がメインになるんだろうな。個人的には渡辺・久保が昇級して多少マンネリ気味の感があるA級に風穴を開けてほしいのだが。
 

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