メーデーにふさわしい本
2巻からぐっとおもしろくなるのでまとめ読み推奨。
- 作者: 山本直樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/09/21
- メディア: コミック
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「党のため」の一言で一方的に方針を決められ、昨日まで仲間だったものがある日突然除名されるような理不尽な扱いを受けるいらだちを見ると、結局のところ共産主義の政治体制は会社組織と大きく変わるところが無いのだなと思った。そういう意味では、彼らはホワイトカラーを見下しているものの、実体では「社畜」とそう変わらない存在だと気づく。
左翼として生きることの魅力とは、団結して体制と立ち向かうために生じる濃密な人間関係なのではないだろうか。非合法な活動に参加していることの陶酔感や一つの目的に突き進んでいく高揚感、そのようなものがこの運動の純粋度を高め、そして本来の道を見失っていったのかもしれない。
自分も昔、帽子とマスクで顔をわからないようにして集会に参加し「団結ガンバロー」をしたことがあり、窓のない地下室で行われる密談や活動の仲間との濃い人間関係を一時味わった経験がある。それでも左翼活動にはまらなかったのは、
「資本主義/民主主義は社会主義へ収束する」
という予感をもっていて、現体制を革命によって変えてしまう思想とは根本のところで相いれない部分があったからだ。そういえば、つい最近共産党の大門議員が面白いことを言っていた。
第171回国会 財政金融委員会 第15号
平成二十一年四月九日(木曜日)
○大門実紀史君 先ほど大塚さんの資料面白いなと思って、伝統的、非伝統的の話ですけれども。本当にどんどんどんどん非伝統的な方向に、これ、ずっと右へ行けば行くほど社会主義に近づいちゃうんですよね。これ、自己矛盾なんですよ、括弧付きですけれどもね。括弧付きですけれども、社会主義的な、こうなるんですよね。だから、どうなっているのかなというふうに思っているところでございます。
共産党・大門先生の質疑(保存用) : 本石町日記より抜粋
どんなに民主主義が腐っていようとも、不況なら社会主義寄りに、景気が良ければ資本主義寄りに、世相を反映してしまうのだねえ。