ドゥニ・ヴィルヌーブ監督の「メッセージ」を見た
震災の影響ででスーパーが混みまくっているので、家でピザを取ってAmazonプライムで「メッセージ」を借りて見た。
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若い頃は粋がって字幕版ばかり見ていたけど、最近はもっぱら吹き替え派。字ばっかり見て画に集中できないのよね。
ドゥニ・ヴィルヌーブ監督は「ブレードランナー2049」の監督で、原作のテーマを活かした空気感がほんと最高だったので、過去作である「メッセージ」も見たいと思っていた。
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地球に突如やってきた宇宙人と共通の言語がない中でどうやってコミュニケーションをとったらいいか、という科学的なアプローチから、徐々に物語の核心が「もしもこの宇宙が決定論的な世界だったら」という、思弁的な問いかけに移っていく。
もしも僕らに自由意志などなく、これまで起きたこともこれから起きることも、人類の歴史も未来もすべてが運命というレールの上に乗っているとしたら。誰かと会った瞬間に、その人と愛し合いそして死別するまでを知ってしまったなら。そこに僕らが生きる意味は残っているのだろうか、というメッセージが胸に刺さる。
そういう意味では原題の「Arrival」よりも、邦題の「メッセージ」の方をセンスがいいと感じた。
あと全然関係ないけど、火星人みたいなタコ型宇宙人との出会いをスーパーリアルに描いているところが凄い。タコ型宇宙人をこんなリアリティのある、物語に必然性がある姿で描くとは。
そもそも「メッセージ」はテッド・チャンの「あなたの人生の物語」の映画版で、映画だけだと言葉足らずな部分は原作で補えるし、原作では想像し得ないビジュアル面や張り詰めた空気感はやはり映画でなければ味わえないし、どちらからでもいいからどっちも見ると二度楽しめるはず。
- 作者: テッド・チャン,公手成幸,浅倉久志,古沢嘉通,嶋田洋一
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