一緒に考え、一緒に前に進む

ひさびさに硬派なSFを読んだ。

私と月につきあって

私と月につきあって―ロケットガール〈3〉 (富士見ファンタジア文庫)

私と月につきあって―ロケットガール〈3〉 (富士見ファンタジア文庫)

女子高生が宇宙飛行士という設定にもかかわらずガッチガチのハードSFになっている。宇宙ものといえば登場人物はモサムキ*1の兄ちゃんが主人公であるところを、女の子を登場させることで手にとりやすくライトな切り口にしつつ、軽くなった分科学知識を目一杯つめこんだような作品だ。
それはまるで、ロケットがぎりぎりまで重量制限をしてペイロードを目一杯積みこむ行為に似ている、かもしれない。冒頭からガンガンと宇宙知識を送り込んでくる。
 
さらにこの作品が秀逸なのが、主人公たちに降りかかってくる難題には必ず理論的な解決法が存在しているところ。そのため、危機に陥った彼女らと読者は一緒に抜け道を探して頭を抱え、一緒に解決して前に進んでいくという楽しみもあってページをめくるのがとまらなくなってしまう。ラストの難題の解が分かったときは、思わず声が出てしまうぐらいだった。
 
大昔にこのシリーズの1巻を読んでいるはずなんだけど、全く内容を覚えていない。残りの2作も是非読んでみよう。
はてな年間100冊読書クラブ 187/229)
 

青い花(4)

青い花 4巻 (F×COMICS)

青い花 4巻 (F×COMICS)

ついに、ついにふみちゃんが告白してしまった! うひぃあ〜。
物語の進行がふんわりとしているところにリアリティがあっておもしろい。相手のことが分からないから踏み込めないもどかしさにもじもじしてしまう。生まれ変わるなら深窓のご令嬢だなあ。
 

けいおん! 1〜2

けいおん! (1) (まんがタイムKRコミックス)

けいおん! (1) (まんがタイムKRコミックス)

青い花とは好対照。おんなじ高校生なんだよなと思うと楽しい。
話のペースが早すぎ! 2巻でもう2年生なんて!?
原作を読むとアニメとの乖離、というか京アニの膨らませ方に驚いてしまう。原作コミックとアニメというより、大場つぐみのネームと小畑健の作画ぐらいの差があるね。
 

チャンネルはそのまま!

チャンネルはそのまま! 1―HHTV北海道★テレビ (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

チャンネルはそのまま! 1―HHTV北海道★テレビ (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

動物のお医者さんからの作風なんだけど、今作はもう完全に道産子(というか札幌市民)のためのマンガとなっていて爆笑できる。
北海道☆テレビといういかにもHTBっぽいテレビ局に就職した主人公が佐々木倫子らしいドタバタを繰り広げていくストーリーで、ところどころにローカルネタを交えてくるので油断がならない。
「バカ枠」とはそして「プチプチ」とは? ギョウカイの裏側もかいま見れて楽しい。

*1:髭モサモサ、筋肉ムキムキの略