香港旅行2018その5 ~九龍城~

「香港に行ったら行きたい場所」ランキングのナンバーワンはダントツで九龍城だと思うんだけど、残念ながらずっと昔に取り壊されてしまい、クーロンズゲートで遊ぶ以外に九龍城を追体験することができないのが現状だ。

しかしながら九龍城の跡は現在公園として整備されており、かつての面影を知ることができる博物館も併設されているということなので、行ってみることにした。

www.hongkongnavi.com

ただそれには一つ問題があって、九龍城址公園は微妙にアクセスが悪く、MRTで行くことができないのだった。仕方がないのでタクシーで行こうと思って、黄大仙駅にある案内看板を見てタクシー乗り場を見つけ、近代的な駅ビルの中をぐるぐると通ってようやくそれらしき場所にたどり着いたのだが、そこはミニバスのたまり場となっており、タクシーもいることはいるのだが中洲のようなところで休憩しているようで、ちょっと声をかけにくい。

もしかしたら九龍城行きのバスも通るかもしれないと思ってバスを観察していると、どうやらミニバスには2種類あって、オクトパスカードが使える近代的なやつと、使えない荒々しいやつの2種類あることがわかってきた。

荒々しい方のミニバスは行き先が手書きのメモでフロントガラスに貼り付けられているローカル感が漂うやばいやつだったので、なるべく乗りたくないと思い近代的なミニバスの運転手に地図を見せて、

「ちーじゅうろんちゃんま?」(九龍城に行く?)

と聞いてみたところ、彼は親切にも荒々しい方のバスの運転手に声をかけ(!)、

「こっちが九龍城行きだからこれに乗れ」

的なことを言ったのだった。まじかー。

仕方なく乗り込むと想像通りにやばいやつで、まずなにより運転が荒い。急加速急減速急カーブで、急がつかない動作がない。これは絶対毎日何人か轢き殺されているだろう。これに乗ってからというもの、横断歩道を渡る時にやたら慎重になった。

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バス停があろうがなかろうが声をかければ乗り降り自由というのも潔い。乗降口は走行中も開けっ放しで、急ブレーキの慣性で閉めるというおまけつき。なにせ運賃体系も、黄大仙から九龍城まで8元(約100円)、黄大仙から旺角まで乗ると14元というテキトーなものだ。

しかしローカル的な優しさもあって、九龍城公園の近くまで来ると

「ここで降りて交差点を渡って向こうに行け」

みたいに案内をしてもらって良かった。まあ、万人におすすめはしないけれど香港らしいパワーを感じられるので、後学のために乗ってみるのもいいかもしれない。

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九龍城址公園

10時ころの香港はむわっとする暑さに包まれかけていたのだけど、それでも公園の中に入ると多少涼しかった。多少、ね。

奥を進んでいくと九龍城を再現したオブジェがあったり、

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博物館では九龍城の中に入っているみたいな映像が楽しめたりしてなかなかおもしろかった。

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いやー、fallout感がある。

現代の九龍城へ

ただまあ、やはり城跡は城跡なので、そんなに面白いかといえばまあまあというぐらいの感想だった。というわけで次は現代の九龍城とも呼ばれているカオスの城、重慶大厦へと足を向けた。

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九龍城公園からは再び例のやばいバスに乗って旺角まで行き、そこからMRTで尖沙咀まで戻ることになる。

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重慶大厦は入口前にインド系の人がやたらとたむろしている以外は、意外と普通のビルディングで、やたらと両替屋さんが多い中野ブロードウェイみたいな感じだった。なるべくレートがいい店を探して歩いていたんだけど、レートの表示が日本と逆なので少し戸惑った。1香港ドルが何円、ではなく、1円が何香港ドルかを表していて、例えば0.06と書かれていたら、1万円×0.06で600香港ドルになる(羽田空港のレートがこんなもんだった)。これだと1香港ドル=16.67円。

重慶大厦で一番レートが良かったのは0.07だったので、1香港ドル=14.29円。羽田空港がぼったくりレベルで高いことがよく分かる。

昼ごはんは糖朝へ

まとまった現金も手に入ったので、軽く昼ごはんにすることにして朝にやっていなかった糖朝に行くことにした。注文したのはチャーハンと、

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チャーシュー入りの肉まんと、

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中国語講座で葉子ちゃんが嫌いだと言っていた鳥の足の煮物など。

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チャーハンは本場だけあってかなり美味しくて、やはりこの料理って長粒種の米で作られるのがデフォなんじゃね? と思った。パラパラッとしていてしつこいところがなく、米の歯ごたえがしっかりしていて美味しい。鳥の爪のXO醤煮は、美味しいけどとにかく食べにくいのが難点。まあ、ビールにはよく合う。

ちなみに香港での中国語(北京語)の通用度は結構高くて、やはり中国人観光客が多いのか、電車のアナウンスは広東語→北京語→英語の順番だし、広東語でなにか聞かれて北京語で返しても普通に通じるパターンが多い。逆に英語は公用語の割に、広東語なまりが強すぎて全然わからなかった。イギリスに行った時は「オレの英語力すごいじゃん!」と感動したものだけど、香港人が使う英語はかなり簡単なものでも2,3度聞き返さなければわからないパターンが多い。

広州と香港が高速鉄道で結ばれることになったので、今後はもっと北京語が通用しやすくなるのかもしれないなあ。それが香港にとっていいことかどうかはわからないけれど。

NHKラジオまいにち中国語 2018年 09 月号 [雑誌]

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