ウナギが絶滅する前にうな重を食べてきた
ウナギが好きなので年に1、2回は鰻屋さんでうなぎを食べます。
雪道がひどくて自分が運転したため日本酒無しだったので、今回は普通にうな丼(上)。並だとうなぎ3/4匹分なのに対して、上にするとまるまる一匹分。
これはもう、上がデフォルトだと言っても過言ではない、はず。
お酒を飲める日はあえて丼や重にせず、『うなぎ定食』にするのが最近のブーム。
ウナギに刺し身の三種盛りまでついてきて最強の布陣。中国には満漢全席があるかもしれないが、日本にはうなぎ定食がある!
ウナギは鰻屋に限る
そういえば最近はシラスウナギの漁獲量が減って、ウナギが絶滅の危機にあると言われています。そんな折にウナギを食べるのはいかがなものかと釘を刺される(ウナギだけに)可能性もあるんですが、そんなのは生産者側の都合なので消費者にとっては関係のない話。オレは食いたいものを喰う。
しかし残念なのは、そんな貴重な資源であるウナギがスーパーやコンビニ、牛丼チェーン店などでゴミのように扱われていること。スーパーのウナギは昔食べたことがありますが、べちょべちょで油まみれで食べられたものではありませんでした。というか、普通に考えれば、1日2日前に焼かれて放置された食べ物が美味い訳がない。水分も脂も細胞から抜け落ちて食感は悪くなるし、香りも飛んで抜け殻になってしまうわけで。そんなものが美味しい訳がない。
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冷凍のウナギも何度か試してみたことがありますが、店で食べるのと変わらない値段で、しかも大しておいしくなかったのでがっかりしました。あんなので「お店の味と変わらない」というのは誇大広告なんじゃないかなあ。そもそも物理的に、冷凍したものが生のものと変わらない訳がない。
これらの食べ方は、言ってみればウナギの死骸を食べているのに過ぎないと思っています。いや、もちろん鰻屋だって生きているグネグネとしたのを提供するわけではありませんが、ウナギ本来の持つ美味しさを最大限に活かしている間は食材として生きている。だから美味しい。
それはウナギを美味しく食べるための技術を身につけた職人だからできる技であって、上っ面だけなぞった行程を工場で再現したからって同じ味になるわけもなく。だからウナギの値段には技術料が含まれており、それによって美味しさが担保されている。中間マージンを削ると言って職人を排除してしまうと、同じ鰻を使っていても、完成品は鰻屋のウナギとは似ても似つかぬ紛い物になってしまう。
で、作り置かれて売れ残ったものは結局廃棄されるわけで、鰻に似たブーム食品として恵方巻きがありますが(食べたことがない)、あれなんか材料を仕入れるだけ仕入れて注文がなかった分はそのまま豚の餌にしていますからね。貴重な鰻がああいう目に合うのはなんとも辛い。というか、ブームに踊らされて安っぽい紛い物で満足する人間は、最初から豚の餌を食べていたほうがエコロジーなんじゃないのかな。
個人的にはウナギにも毒があるんだし、フグのように免許制にして鰻の専門店でなければ食べられないようにしてしまえばいいと思っていますが、まあそーゆーのは無理な話。
いち消費者としてできることは鰻屋で鰻を食べる/スーパーやコンビニの安い鰻を食べないことぐらいですかね。絶滅するまで大事に食べよう。