2013イギリス・イタリア旅行 ~その6~ ローマでいきなりの先制パンチを浴びる

夕暮れのヨーロッパ上空を飛び越えて、再びフィウミチーノ空港へやってきました。入国手続を終えてローマ市内に移動するため、レオナルド・エクスプレスという直通列車を利用することにしました。
 

自販機は今日も動かない

空港は終点なので線路はここで行き止まりなのですが、その行き止まりのすぐ先に自動改札機と券売機があるという、ちょっと見慣れないレイアウトをしています。
券売機に並んだ瞬間、オランダのスキポール空港の悪夢を思い出しました*1が、イタリアの券売機はそれほど難しくなく、難なく支払いの画面まで進みました。クレジットカードを入れて支払おうとすると、出た!「Out of Order」の文字が! やっぱり自販機は壊れるのか!
諦めて窓口に進んで「テルミニステーション ツー!」と叫んでチケットをゲット。窓口で買うと1ユーロ高いらしいです。それならせめて壊れない自販機を用意してくださいよ。
 
ホームにはすでに列車が到着していて、っていうか1分後に発車とのこと。慌てて乗降口まで進んで車掌さんと一緒に乗り込んでギリギリセーフでした。ただし車内は満員で、テルミニ駅までの1時間立ちっぱなしになってしまいました。一本あとの列車にして、座って乗れば良かった*2
 

テルミニ駅でローマの洗礼を受ける

本当なら駅構内のTIMで現地のSIMを買う予定だったのですが、すでに営業時間を過ぎていたので場所だけ確認して次の日にすることにしました。
 
昼に寿司を4貫食べたきりでおなかがすいていたので、自分は駅内のセルフサービスの店で軽くイタリアンでも食べようかと思っていたのですがマックが食べたいというので、一日2マックは無いわと思いながら言うとおりにしました。
どこの国でもたいていマックは混んでいます。長い行列に並んでいると、自分の前に子供連れのお母さんが割り込んできました。
「この子がマック食べたいっていうのよ~、何がほしいの○○ちゃん」「はんばーがー」みたいなことを店員に言って買わせたり。なんというフリーダム。
自分の番が来て、ガタイのいい兄ちゃんに限定メニューっぽいのを指さして注文すると、「ビッグマックだな」と言われる。いやいやいや意味わかんねえよ!と「違うから、こっちの○○だから」と言うと苛立ち紛れに「それは21時までだからもう終わり!お前はビッグマックな!」と言われ、さらにはジュースの種類も言ってないのに勝手にコーラを2つドンドンと置かれる始末。
とんだウェルカム・トゥ・イタリアですわ\(^o^)/
 
注文されたものを持って2階に上がるとゴミだらけで荒れ放題で、「もしも北斗の拳の世界にマクドナルドがあったら」的なコーディネイトです。何そのあるあるネタ。おわ~。
そしてマクドナルドは、マクドナルドなのに激マズ。世界標準の品質じゃないのかよ! 前にスペインの空港で食べたマクドナルドが美味しかったので世界中のを食べ比べてきましたが、テルミニ駅のマクドナルドは見事最下位をゲットしました。やっほ~い。
 
ゲンナリして駅を出るとまたもやマクドナルドが! こちらにも行列ができています。っていうかローマはどこで食べてもそれなりに美味しいものが出てくるのに、なんでわざわざ美味しくもないマクドナルドを食べるのか!
 

衝撃! ここがローマだ!

テルミニ駅を出てからもびっくりすることの連続です。
 

横断歩道に信号がない

駅周辺の道路はバスや車、バイクで大混雑でした。しかし車道をわたって向こう側に行く横断歩道には信号がありません。どうやって渡るのかと思ったら、「適当に渡る」が正解でした。おい!
歩行者はちょっと車の流れが遅くなったりすると、さっと横断歩道を渡っていきます。人が通ると車は停まる。鼻先をいきなり渡られてもこの国のドライバー的には問題ないみたいで、クラクションをならしたりはしません。
ロンドンでは完全に自動車優先で、だから結構細い道にも必ず歩行者用の信号があって、フライングする人は(日本と同様)いるけれど基本的に守っている。ローマは逆に歩行者優先で、それが逆に怖い。よくもまあ「ローマ市民の運転する車(笑)」を信用できるものだなあ! と感心してしまいます。
感心してばかりでは渡れないので、そういう交差点に来たら

  1. 渡ろうとしている人がいないかあたりを見回す
  2. 後から来る場合は何気なく周りの風景を見たりする
  3. 人が渡り始めたらその人の後ろをついて渡る

というカルガモ作戦で乗り切りました。単独で渡る勇気はさすがにありません(^_^;)
 

道がゴミだらけ

駅を出てすぐマクドナルドがあるのですが、店の前はマックのゴミだらけ。それ以外の場所も食べかすやら何かの液体のシミやら煙草の吸殻やらですごい有り様です。こんなに荒れ果てた道を歩くのはソウル以来。向こうは匂いも凄かったのでローマはまだマシな方ですが、世界一の観光都市がこんななのか!と驚きました。
 

道が黒人だらけ

歩道にはどこへ行くでもなくブラブラしている人だらけで緊張します。多くは黒人で、アフリカ系というよりもヨーロッパ系の顔立ち。こちらを見てきたり何かするわけではないのですが、ロンドンで「東京と変わんないじゃん、楽勝楽勝」とゆるんでいた身が引き締まる思いです。もうね、ガイドブックから「ローマは気をつけろ」とか言われるまでもないレベルでデンジャー。この状況見て「ヤバい」と思えないようだとその人のほうがヤバいです。堂々とゴミ箱を漁って何かないか探していたりする人もいるので、ゴミだらけなのはそうゆうことかとも納得。
ゴロゴロと道路で寝ている人もゴロゴロといます。9月中旬のローマは暖かいとはいえ夜は意外と冷え込みますが、ダウンジャケットを羽毛布団代わりに、お構いなしに野宿しています。
 
似たような人たちは翌日の昼間も、いろんなところで見かけることになります。彼らは主要な観光スポットの近辺で、道に座ってちょっとしたおみやげを売って生計を立てているようでした。
キーホルダーやカラフルな番傘、絵ハガキなどが多く、偽ブランドのカバンを売っている人もいるし、面白いものでは、机に叩きつけると「ギュ!」という鳴き声を出してぺちゃんこになる、ゲル状のカエルのおもちゃなどがありました。木彫の列車のおもちゃ(アルファベットが乗っていて、R・O・M・Aみたいにつなげて遊ぶ)は出来はいいけど売れなさそう。ローマ関係ないし。
興味深い点はどの店もラインナップが同じであるところです。どこかに彼らの元締めがいて、売り上げに応じて歩合を払っているのかもしれない。だとしたら自分がどの商品を売るのか決められるのかな。自分だったら木彫列車は売りたくないなあ。キーホルダーはそこそこ売れていたけど(自分も一つ買った)、1個1ユーロと利ざやが薄いし、キーホルダーはがきキーホルダーかばんキーホルダーと、一人おきに売ってるぐらい競争率が高いので厳しいかもしれない。一発逆転が好きな人は偽ブランドバッグを売るとか、性格で傾向が分かれているのかも。そう考えながら見ているとちょっと楽しいです。
 
イギリスやスペインでも移民系な黒人の人をよく見かけましたが、だいたいは街の清掃やゴミの収集など、政府公共機関に雇われて仕事をしている人が多かった印象です。それに比べるとイタリアはフリーダム。自由と引き換えに失った何かもありそうですが・・・。
 

CAPITOL HOTEL


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そんな世紀末ただよう中心街のすぐ横にある我らがホテルも、中々の場末感を演出していました。寂れたネオンの看板と、堂々と2つ星のマーク。正直だ! 完璧に2つ星だった!
ホテル キャピトル ローマ (Hotel Capitol Roma) -ローマ- 口コミ・価格比較・宿泊予約
フロントはモーガン・フリーマンみたいな黒人のおじさんで、こちらが日本人だとわかると「アリガトウゴザイマス」と両手を合わせる日本語ギャグを繰り出すユーモアの持ち主でありつつ、予約なしで「泊めてくれ」と訪ねてきた客を「22時以降はアポ無しダメだから」と、怒鳴られつつも上手いこと追い返すテクニックの持ち主でした。フロントの人は面白い人が多くて良かったです。人は問題なくて、問題があるのは施設の方でした。
 

悪い意味で古式ゆかしいエレベータ

問題は設備。エレベータはなぜか1階と2階の間の中2階みたいなところから乗り込みます。建物を作った当初はエレベータが無く、あとづけしたのでこういう形になったと思われますが、建付けが悪くて隙間から外が見えてしまう仕様です。ローマは雨が少ないから問題ないのかな? そういう問題かな?
悪い意味で古式ゆかしい、産業革命の頃に作られたんじゃないかと疑ってしまうエレベータは、比喩ではなくガタゴトと、時折「ガキン!」という引っかかる音を立てながら上昇します。これは絶対ヤバい。いつ落ちるか毎回ロシアン・ルーレットをしている気分になれます。
翌日は使うのが怖くて階段を使ったんですが、他の階に宿泊している人もみんな階段を使っているようでした。スーツケースを抱えて降りている人もいたぐらいなので、自分たちだけが怖がっていたわけではなさそうです。怖さは世界共通ということで(^_^;)
 

開かずのドア

Royal National Hotelではカードキーでしたが、こちらは神聖ローマ帝国時代を思いこさせる重厚なタイプの鍵を使用します。
鍵を差し込んで回しても、開かない。ガチャっといったのに、開かない。
ローマのドアは特殊な方法によらなければ開かないんだろうか、そういえば初めて三菱の車に乗った時に、ボタンを押しながらじゃないとキーが抜けないのを知らなくて、パニクってディーラーに電話を掛けたなあ、みたいなことを思い出しました。
だけどまあそんな高級な仕様では無いだろうと「でりゃ」とばかりに力づくで押したところ、見事にドアが開きました。閉じるときも当然、「どりゃ」と全身の体重を込めて引く必要があります。これこそがローマ流。
 

意外と部屋は普通

ここまでの道のりを思うと部屋は普通です。石鹸とタオルは用意されていて、毎日新しいパリっとしたものが届きました。パリっとし過ぎて水を吸わないところは大目に見ます(^_^;)
 
冷蔵庫がないのは仕様としても、やはりセーフティボックスはありません。貴重品は全部持っていくとしても、自衛策として、毎日1ユーロずつ枕元に置いておくことにしました。
少しでも気持ちよく作業してもらって、悪いことをしようという気持ちがわかないようにするための、ちょいとしたお守り代わりです。ガイドブックにはチップ不要と書かれていましたが毎日きれいになくなっていました。最終日には結局口を付けなかったヒースロー空港で買ったコーラを置いてきたけども、飲んでくれただろうか。
シャワールームが微妙な清潔さで、シャンプー置き台の底が抜けていたのもどうかと思いました。頭を洗っては外に出て、体を洗うために外に出て、という塩梅。お湯はロンドンよりも良く出ていました。
トイレの水には注意が必要で、一度流すと次に流れるための水が貯まるまで、ゆうに10分以上かかるというのも注意点。部屋の電気も薄暗いし、日本以外では水も電気も貴重品なのだなあと実感します。
 
初日からいきなりのローマショックでどうしようかと思いましたが、翌日も早くから行動しなければならないので気合で寝ました。明日はどうなる!?