2兆冊売れろ!

この連載を読むためにtu-kaに機種変しようと思ったくらいだったので、待ちに待っての書籍化です。ヤッホー。

のはなし

のはなし

やっぱり伊集院さんは文章が上手い、というかリズムが良いんですよね。ラジオのしゃべりもそうだけど、噺家独特の間の取り方が耳に/目に心地いいです。
内容ももちろんこれでもか!ってくらいに密度が高い。もちろんラジオで聞いた話も多いけど、週に3回のメルマガだったとは思えないくらいにサービス精神旺盛です。
 
気に入っているのは『運命の出会い』の回。笑いながら歩いてくるキモい男とすれ違ったらラジオのリスナーで、しかもちょうどMDで深夜の馬鹿力を聞いてたところだった偶然から始まって運命としか思えない出会いの話をするんですが、締めのこの一文が素晴らしかったです。

このテーマに従ってここまで書いてきたが、僕はこういうことを別に『運命』とか、もっと厄介に『神の導き』だとかまったくもって思わない。無心論者だし、確率的に十分に起こりうる話だし。
けれど、こういうことがいくつか続けて起こるということ・・・いや、自分の周りにこういうことが起きていることを感じとれるテンションで過ごせていることは、とてもよいことだと思う。

ここにラジオDJ伊集院光の本音が見えているようで感動しました。毎週毎週どっからネタを見つけてくるんだ、と思わせるフリートークですが、それは偶然面白いことが落ちているのでも伊集院さんの笑いのセンスがずば抜けているというだけではなく、常に面白を求めてアンテナを張りめぐらせている結果なんだぞ、と言いたいんだな〜と思いました。
 
意外と伊集院さんの文章ってまとめて読むことが無い。ラジオのまっすぐな時間の流れも悪くないけど、何度も繰り返して読める状況ってのも良いですね。ファミ通のコラムもいつか書籍化されたら嬉しいな。
 
55/100