酒粕料理 失敗

甘酒を作った残りの酒粕で鮭の粕漬けを作ってみました。
作り方は、食べやすいサイズに切った塩鮭を、同量の酒粕につけて冷蔵庫に入れておくだけ。
食べごろは2日〜半月ということだったんですが、なかなか食べる機会が無くて1週間たって今日取り出してみたんですが、、、明らかに漬かりすぎでした。酒粕の甘い香りがいい風味を出していたんですが、肝心の鮭の身がパサパサになってしまったこと、アルコールがきつ〜く染み込んでしまったのは惜しいところです。
多分、市販の普通の酒粕よりも、自家製の方が新鮮で酒っぽさを残しているのでしょう。次回はもっと浅く漬けてみたい。
 
今回の粕漬けがあんまりうまくいかなかったのが原因で考えてみたんですが、こうやって普通に焼いて食べるものをわざわざひと手間かけて食べるのはきっと、おいしいからという理由の他に何かありそうな気がしました。たとえ成功していたとしてもそのまま食べたほうがおいしいはず。むしろ加工した方がおいしいのであればその形で流通しているはずだし。
たとえば河口のそばに住んでいて、秋にはたくさんの鮭が取れる家の人が、普通に焼いて食べるのではなく、粕に漬けてみたり、凍らせてルイベにしたり、目先を変えて飽きないように工夫したとか、意外とそういう理由があるんじゃないだろうか。
確かにこういう伝統的な加工食品には、保存性を高めたり、元の食品よりももっとおいしくしたりといった崇高な目的もあっただろうけど、それよりも「いっぱいとれて食べるのに飽きてきたし、いろいろ試してみようか」程度の軽いノリで、当時の人たちはチャレンジしていたんじゃないかと考えたほうが自然だな、と思えるのです。
 
そう考えると昔の人の遊び心が感じられて楽しい。食べ物で遊ぶ、というと聞こえが悪いけど、ものを食べることは人間にとってもっとも楽しいことのひとつであって、現代から比べると不便で貧しい世の中だったにも関わらず、そんな心の余裕をもって暮らしていたことはなんというか、かなりクールだぜ。
 
先人たちの思いを(勝手に)想像したり、次に作る料理のことを考えたりすることも手造りの楽しいところ。
次回はどんな酒粕料理にチャレンジしようか。鍋には暑すぎる季節だし、デザートでもつくってみようか。酒造りも楽しいけど、そろそろ大豆が収穫できる季節。味噌造りにも手を出してみようかと考える今日この頃です。