「蜜蜂と遠雷」を見てきた
HELLO WORLDを見に行った時に見た予告編が気になりすぎて、蜜蜂と遠雷を見ることにした。
クラシックなんて全然分からない人間で、作中の曲はベートーベンの月光くらいしか分からないレベルなのに、めちゃくちゃ面白かった。
世界が滅びるでもなく誰かの命がかかっているわけでもなく、淡々と、一つのピアノコンクールを描くだけなんだけど、それでもピアニストとして生きることの厳しさと天才たちの迫力がビシビシと伝わってきて良かった。
全然わざとらしいところがないんだよね。なのにドラマチック。どのシーンにも何らかのメタファーが込められていてハイコンテキストで、個々のシーンが全てに繋がっていて、見応えが十分だった。
コミカライズ版が出ていたので早速買って読んでみた。
- 作者: 恩田陸,皇なつき
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2019/09/27
- メディア: コミック
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するとやはり思った通り、原作を大胆に切り取って映画の尺に合わせて再構成していることがわかった。これだけの情報量のものをガッと圧縮しているから密度が高くて面白かったんだなあ。
映像化して、ただ動けばいいとか、単に原作をなぞっただけとか、そういうのを見るとガッカリするんだよね。
原作を愛して読み込んで良さを感じ取って、そこから生み出された作品は、やっぱりすごい良い。
俳優はどの人も演技力が高くて言うことなしなんだけど、特に斉藤由貴は存在感が抜群で良かった。元天才少女役が見事にハマっている。
あと、余談だけど風間塵役の鈴鹿央士(新人)が、将棋の藤井聡太七段に激似でびっくりした(しかも孤高の天才役)。
藤井七段物語を映画化するときはぜひ主演して欲しい。
今月のHOT BOX
シネマ太陽といえば向かいにあるバーガーショップホットボックス。
桃/生ハムとか、パイナップル/ベーコンとか、甘いのとしょっぱいものの組み合わせは至高。とろけるように甘いフルーツだから映えるんだろうなあ。
邦画はなんでつまらないんだろう
しかし、アニメ以外の邦画を見るのは本当に久しぶりだった。
海外SFならかなり見ているんだけどなあ。2010年代だと、ゼログラビティ(面白かった)、インターステラー(最高に面白かった)、マッドマックス(ビジュアルブックを買った)、ブレードランナー2049(2回見た)、レディ・プレイヤー1(そこそこ)、オデッセイ(
ラノベみたいだった)、アリータ:バトル・エンジェル(悪くない)あたりは見た。
SFは予算もデカイし映像美が物凄いので、劇場で見るしかありえないんだよね基本的に。
邦画は基本的にドラマに毛が生えたものなのでテレビで見りゃあいいし、スクリーンいっぱいに女優の泣き顔を大写しにするとか、作り手サイドもテレビサイズから抜け出ていない感があって、わざわざ劇場に出かける意味が良くわからない。
ただ、カメラを止めるな!は最高に良かった。あれこそ劇場で見ないと面白さが全然伝わらない。やっぱりそういうところなのかな、面白さの違いは。