きのう何食べた? を見た

だいたい夕飯時にはアニメを見ているのだけど、今クールはほとんど見るものがなくて、せいぜいガンダムどろろくらい。

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ただ、仕方なく見始めたはずのドラマが結構面白くて、意外と夢中になって見てしまっている。

いま話題の「きのう何食べた?」は特に面白くて、やはり原作が漫画だからだろうか、カメラワークがしっかりとしていてコマ割りを意識したような画作りがされていて、見ていて疲れない。

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役者も演技派が多くて安っぽさがないところが良い*1

基本的に料理漫画なのでモーニングの連載をちょっと読んでいたんだけど、淡々としすぎていて途中で飽きてしまった。その点ドラマの方はいくつかのエピソードを一本の中に詰め込んで情報量を上げているところが良いと感じた。

という感じで、映像作品として基本的な部分はちゃんと面白いんだけど、ドラマとして優れているかと言われると首をかしげてしまう。

というのもこのドラマの肝は主人公がゲイのカップルであるところなのに、なんか全然ゲイっぽくないのだ。

いや、自分はゲイでも何でも無いので「真のゲイ」から見たら超絶リアリティがあるのかもしれないけれど、異性愛者の自分から見るとあまりにフツーなので逆に戸惑ってしまうのだ。

つまり、「これって、男女のカップルの女側を男が演じているだけじゃない?」と思ってしまうということ。

そういえばケンジ役の内野聖陽に主演女優賞を! みたいな記事が炎上していて、

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要はゲイドラマなのに安易に男女の関係に当てはめるのは頭が固い、ということなんだけど、個人的には、いやいや、単なる男女関係に男二人を割り振っただけでしょ、という気がするのだ。

シロさん→男役、ケンジ→女役があまりに強すぎて、それは視聴者に対して分かりやすさを追求した結果なんだろうけど、そのせいで主題がボケちゃっている印象が否めない。

逆に、これだけ演技がうまい俳優が女役なんてやってしまったら、ただ顔が可愛いだけでヒロインやってるような女優さんは駆逐されてしまうんじゃないかという気もする。


それと気になるのは、全体的に漂白されすぎていて、枯れていて、要するに性欲が全然ないように見えること。

イカップルというよりも、独身おじさん同士がシェアハウスしているみたいなほのぼの感が否めないんだよね。

地上波のドラマでは男同士の性欲を描くことはまかりならんというのなら、安全第一過ぎて、それこそ去勢された雄馬みたいなもんじゃないかと思ってしまう。

そういう意味では前回紹介したセックス・エデュケーションの方がきちんと描かれているし、海外ドラマなんて持ち出さなくてもNHKの、腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。のほうが実情に即しているように感じた。

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という感じで不満を色々書いたけれど、全般的にはすごく面白い。つまらないと思ったら基本的に一話で切るので(インハンドとか)、それだけしっかり見ている証拠だし、あえてブログに書くだけのものがあったんだということで気に障った人はご容赦いただきたい。

*1:イブニングで連載されていた「インハンド」がドラマになったときはちょっと期待して見たんだけど、主演がクソで字幕がなければ何を言っているんだか分からないレベルで見るに耐えなかった