2015竜王戦第2局現地大盤解説会観戦ツアー その1
竜王戦に渡辺明が帰ってきた!
2004年から2013年まで前人未到の竜王戦9連覇を果たした史上ただ一人の永世竜王、渡辺明が挑戦者として竜王戦の舞台に舞い戻ってきました。
これまでのあらすじ
現在の竜王位は糸谷哲郎竜王。渡辺明を破って復位した森内俊之竜王からタイトルを奪取した、若き哲人棋士です。
(画像は前期竜王戦ハワイ対局の模様 竜王戦中継plus: ビーチで記念撮影 )
「将棋界は斜陽」
四段昇段時にはそのように語り、タイトル戦の前夜祭では哲学について長々とスピーチを行い、対局中は頻繁に離席してはノータイム指しを繰り返す将棋会一のKY棋士として有名です。
今期は初の防衛戦となるわけですが、最強若手軍団の一人である永瀬拓矢五段との挑戦者決定戦を制して颯爽と現れた元「銀河最強竜王」渡辺明棋王を挑戦者に迎え、下馬評では圧倒的に【竜王位陥落】を予想する声が大多数でした。
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オッズで言うなら単勝渡辺奪還ではせいぜい1.1倍以下、勝ち数を入れて0-4、1-4、2-4、3-4のどれに賭けるかの勝負と言ったところでしょうか。
私は下馬評を裏切るだろう
そう言ったのは渡辺棋王本人ですが、NHK杯では糸谷竜王本人に敗れ、続く竜王戦第一局も破れ、さらに王位戦、順位戦と立て続けに黒星を重ねて本人ワーストととなる7連敗を喫してしまいました。
これまでの渡辺明といえば「冬将軍」の呼び名も高く、竜王戦を控えて徐々に調子を整えて、万全の体制で挑戦者を圧倒するのが持ち味だったのですがさすがに竜王戦決勝トーナメントを戦い続けてきたことによる疲労が溜まってきたのか。これは現地に応援に行くしかない!
なにを隠そう自分は「現地大盤解説会で応援した側が勝つ」というジンクスも持ち主でして、2012年の王位戦羽生藤井戦では見事に藤井九段が勝利を収めました(結果は聞くな)。
快勝でご機嫌の藤井先生を生で見れただけでも感激なのに、抽選会で扇子が当選してしまいました。これは嬉しすぎる\(^o^)/ http://t.co/V2BbWYnO
— pikaring (@pikaring) 2012年7月25日
その際には抽選会で扇子もゲット。
将棋扇子 九段 藤井猛扇子 「無我」 |
竜王戦第二局は地元ではないけれど頑張れば行けなくもない札幌開催。さらに金曜日が大盤解説会ということなので、一泊二日で応援に行くことにしました。
一日目封じ手までの局面
今期の竜王戦は「角換わりシリーズ」が予想されていたのですが、第一局、第二局ともに最近流行の横歩取りとなりました。定跡通りの飛車ぶつけから、
先手の糸谷竜王が▲2四飛と飛車交換して序盤から激戦模様になり、さらに△同銀▲8四飛△8三歩に対し、▲同飛と切ったのが次の局面。
飛車銀交換は圧倒的駒損ですが後手が飛車を取れば角が成り込めるので、飛車と銀香交換+馬を作って損得なし、むしろせっかく飛車をもらってもそれを打ち込むスペースがなく、どちらかというと先手持ちという形勢でしょうか。
ここで思い起こされたのがつい先日行われたばかりの叡王戦、森内阿部光瑠戦です。先手の森内九段がのんびりと飛車交換しているうちに、矢倉に入る隙さえも与えず左美濃から一方的に攻めて元名人を若手が圧倒しました。
これはもう公開処刑…!
この対局に限らず最近の若手はコンピュータ将棋調というかポナンザ的というか、「イケる」と踏んだらガンガン攻めて押し切ってしまう、機を見るに敏というよりも機の先にある「機兆(きざし)」までも捉えているのではないかという先の先の先を突き進むことが多いので、自分は密かに震えていました。調子を落としたままの渡辺棋王は、このまま無残に押し切られてしまうのでは…。
棋理の逆を行く1三桂
糸谷竜王の猛攻にも意表を突かれましたが、それに対する渡辺棋王の応手にはさらに度肝を抜かれました。先ほどの局面から△同角▲1一角成と進んで△1三桂!
えっ、そっち?
どう考えても普通は3三桂馬と跳ねるでしょう。馬道を塞いで、さらに4五まで跳ねられれば攻めにも活用できる。これはどうなっているのか…。
さらにここから糸谷竜王が▲1二馬と引いたり7筋の歩を突き進めて攻めるための準備を着々と整えている間に、渡辺棋王は△6二玉、△7一玉とゆうゆうと自陣の整備に勤しんでいます。
一日目はこの局面で糸谷竜王の封じ手となりました。ここまでどちらがいいとは一言では言えない形勢で、二日目から応援に行く自分にとっては理想の展開。さあ行くぞ!
トンネルを抜けるとそこは雪国だった
中山峠真っ白やん…。ルスツ近辺では車にのっそりと雪が積もっていたのでやばいかなと思っていたのですが、これほどまでとは。道南とは世界が違いますね。早めにスタッドレスにしておいて良かった。
大盤解説会は10時からだったのですが、先に秀岳荘に寄って折りたたみ自転車を購入することに。
好みの色がなかったとのことで、組み立てと折りたたみ方のレクチャーを受けて配送してもらうことに。自分も乗ってみたんですが、折りたたみ自転車とは思えない自然な乗り心地で良かったです。これで通勤するのはちょっと大変だけど、ちょっと欲しいなあ。にしてもブロンプトンは高すぎる。ダホンぐらいで良いかも。
ちょうどセール中だったので、通勤用のカバンを購入。
マンハッタンパッセージというのはまったく知らないメーカーだったのですが、とにかく軽くて撥水性もあり、機能性が高そうだったので購入。
内部の生地がブルーで、中の物が見やすくなっているのがいいですね。イヤホンなどの小物を入れるポケットもあるし、一見するとシンプルな黒いバッグなのが、中を開けると高性能、というところが気に入りました。
その後は定番の平和園でジンギスカン、という予定だったのですが、棋譜中継を見るにすでに渡辺棋王が大優勢で、控え室での検討が打ち切られるレベルだとのこと。マジか!
いまさらジタバタしても仕方ないので肉を食う pic.twitter.com/oG9Xhv34kh
— pikaring (@pikaring) 2015年10月30日
肉を食べ終わるまで投了しないで\(^o^)/