意気込みはいいのだが

またまた保坂議員が勘違いエントリをあげておられる。

文書図画は原則禁止だ。「夜になったから駅前に止めた車にパワーポイントでグラフやイラストを映し、プレゼン風に辻説法をやろうとしても、「ネオン・サインまたは電光による表示、スライドその他の方法」に該当するとして警告を受けることになる。従って、駅前でブツブツ独り言を言っているわけにいかないし、マイクを持って一方的に「連呼」したり、「演説」するぐらいしか出来ないようになっているのだ。「提灯はOK」というのも笑えるが。
驚きの公選法、パワーポイントは禁止で提灯はOK - 保坂展人のどこどこ日記

確かに悪くないアイデアだけど、パソコンもプロジェクターを持ってない、買うお金がない人が立候補しようとしたらどうなるだろうか。アドバルーンもいい、電光掲示板もいいとなると、お金がいくらあっても足りなくなる。
選挙はただでさえお金がかかる。麻生首相のところのような世襲で大金持ちの人は諸手をあげて賛成するだろうけど、元はサラリーマンだったけど国を変えるために立候補しました、という人はどうなるだろうか。
 

お金のかからない選挙を目指して

そもそも今の公選法は、「選挙にお金がかかりすぎる」として制定されたものだ。持てるものも持たざるものも、平等に選挙運動ができるように定められている。そのため、お金のかからない言論による選挙活動は原則自由だが、かけようと思えばいくらでもつぎ込める文書図画による選挙活動は一部を除いて禁止されているのだ。
一票でも多くの票がとれるとなれば、違法でない限りどんな汚い手でも使ってやろうというのが政治家だ。保坂議員の言うとおり原則自由にすると、一昔前のように町中がポスターだらけになっちゃいますよ。
 

原則自由と原則禁止

細かい部分になるけど、論理的におかしい部分があるのでつっこみ。

公職選挙法の全面改正「原則禁止→原則自由」に反転させなければならないだろう。

もしこうすると「ただし○○は禁止」の部分が無限にのびることになるんですけどね。法律がさらにスパゲッティ化し、わけがわからんくなることうけあいです。この部分はあとから補足する予定。
 

間違った情報を思いこむ

自分に都合のいい情報だからって、ほんとかどうかの裏をとらずに信じちゃうのはどうだろうか。以下は黒川滋氏のブログから引用した部分からの引用。

選挙になると、候補者名の連呼と電話ばっかりかかってくる、というのは、選挙規制でそれしかやってはならないからだ。アメリカのようにテレビCMにジャンジャンお金をかける社会もどうかとは思うが、選挙期間中に候補者の主張が入ったガリ版刷りのチラシすらまともに配布できない選挙制度というのはどうしたものかと思う。言論で選挙をできないようにしている。

チラシというか機関誌は発行できますがな。ただし、選挙運動期間から相当期間前から配布されているものに限られるけど。
というのは、選挙だ!というのであわてて票をくださいと言って配るのは良くないけど、常日頃から選挙民に対して自らの政策や施策を広報している場合は別だ、ということなのだ。
連呼と電話しかやってはいけないというのも嘘。学校などの公共機関を借りて演説会をすることができるし、演説会場内での文書図画の掲示については厳しい制限がない。パワポでもなんでも使ってプレゼンしたらいいのだ。
 
そのほかにもつっこみどころはあるけど(中選挙区制なんてとっくに無いし)、少なくとも保坂議員が信じるべき人ではないと思われる。
 

志はいいが、全てがトンデモ

公選法を変えようと言うのはいい。だが、元々の成立過程もしらないで「変だ!変えよう!」というのはどうだろうか。変えた後の影響も考えてないようだし、不安がいっぱいだ。
 
結局のところ保坂議員の言い分は、選挙の直前しか活動する気がないんだとも読みとれる。エスカレートしがちな選挙前だからこそ選挙活動(票を得ようとする行為)が制限されているのであって、そのほかの時期に行う政治活動(政策をひろく宣伝する行為)は原則自由とされている。
平常時から演説会をしたり機関誌を配ったりして選挙民に対して啓蒙していれば、おのづから票は集まってくるはずだろう。それを、たった2週間の選挙運動期間だけ目立ってはいおいしまい、というのでは手抜きじゃないだろうか。
ちょっとしたひらめつきや意味の取り違えから「法が悪い! 変えなければ!」と騒ぐのではなく、いったん落ち着いて法の成立経過をもう一度良く調べなおしてみてはどうだろうかと思う。
 

追記

反映されました。しかし、トラバが10個あって話題に関連しているものがうちのだけって状況はひどすぎやしないか。
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/2c95e3fc1a078a08732d1f4089a03163
保坂議員のブログにトラックバックを送っているんだがなぜか反映されない(笑)
http://blog.goo.ne.jp/admin/showtrackback/からのリンクがあるから、見ていることは確実だ。
本文とは関係ない単なる政治リンク集はトラバをうけつけているのに反論は受け付けないとはこれいかに。反論は聞きたくない、あくまで耳に気持ちがいい意見しか聞かない、ということなんですかねえ。真っ向から論破するぐらいの意気込みが欲しいところだ。