直木賞候補4冊目

やっぱり重いテーマです。
 

悪果

悪果

 
最初はただの「警察の裏はドブ」的な、腐敗した警官のお話なのかな〜と思ったのですが、大阪"らしさ"みたいな空気がうまく伝わってきたおかげで飽きずに読み終わることができました。
こういうテーマだと大抵の場合、ディテールの部分は精密でも、精密さばかりで飽きてしまうことが多いです。事実を羅列してもそれはリアリティではない、ということなのですが、今作の場合はそこかしこに散りばめられた「大阪的小道具」が良い働きをしたと思います。なんといっても会話のテンポが良かったですね。
 
それだけに後半一本道になってしまったのは残念。あまりにベタな展開。登場人物も良かっただけに、ラストはちょっと悲しい。
 
88/100