ラリージャパン初日

10月25日木曜日から旅は始まる。といってもこの日は仕事を休んで寝だめして、20時に函館を出発しただけだったが。帯広まで約500キロ。だいたい10時間かかると考えれば余裕をもって12時間前には出発しておきたいところだ。
 

帯広到着

寒い。ハンパなく寒い。
北海道の中でも温暖湿潤気候に片足をつっこんでる地方の人間にとって、10月下旬の帯広は、冬だ。
しかも内陸部には珍しく、濃厚な霧に包まれている。湿度のせいで寒さがなお体にしみ入るが、アイスバーンにならなかっただけ幸せだ。とはいえ、せっかくスタッドレスに履き替えたのでもったいないような気もする。
到着は午前4時。予定より早くつけたので仮眠して、日の出を待って妻の祖母のお墓に墓参りをして、帯広駅でおみやげを買って、一路パウセカムイへと進んだ。
帯広から普段は士幌を通って足寄に抜けるのだが、今回は池田町周りを試したせいで道を間違い、危うく釧路まで行ってしまうところだった。
 
幸先が悪いとへこんでいたら、前方から真っ赤なシトロエンの車が出現! なんだ!?と思ってよく見れば、セバスチャン・ローブじゃないか! そうだ、ここは帯広で、今ラリージャパンをやっているのだ。タイミング良く午前中のSSを終えたWRカーとすれ違うことができて大興奮。
その後もマーカスやフロントグリルが無いヒルボネン*1ペター・ソルベルグなどといった一流ドライバーとすれちがう。あこがれのラリードライバーと同じ道を走ってるというこの興奮は、他のモータースポーツでは味わえない喜びだ。

足寄では信号待ちの間にヘニング・ソルベルグの写真も撮れた。お兄ちゃん頑張れー!
 

パウセカムイ2エリアA

早く来たおかげでかなり良い場所を確保することに成功! コース脇の高台の上はぐるりと全体を見渡すことができた。今まで見たコースの中で、一番良い場所であることは間違いない。レース開始3時間前は常識じゃ考えられないぐらいだが、それだけの結果は得られた。
 
あたりは朝の寒さが嘘のようにあたたかい、ぽかぽかとした陽気につつまれている。緑が広がり、小川が流れ、まるでハイキングに来たかのような気分だ。しかし天気予報は午後から雨だと言っている。このまま何事もなくすぎてほしいが。
 

競技開始


パウセカムイはかなり遠くから競技車が来るのが分かる。最初はヘリの爆音だ。それが山の向こうへと飛び去ると、カンカンカンカンカンと金属音がやってくる。これははね飛ばした砂利が車体をたたく音。林の向こうからラリーカーがようやく姿を表すと、今度は観客席からエアホーンが応酬する。



コーナーを曲がるところを連続写真で。
腕も道具もないので、トップレーサーが走っていくところは写真を撮らず、しっかりと見ることにしている。ところがPWRCの後半当たりから練習しつつ撮影していくと、たまにいいのが撮れたりしてたまらない。写真というのは手軽に狩猟本能が満たすものなのだな、と感じる。
 

スバルの新井敏弘の勇姿。この人もこの後でリタイヤしちゃうんだよな〜。
コンデジとはいえ動画の方が良く見える。写真だと手ぶれが気になるし、きれいに撮れたと思えば止まって見えたりと難しい。今度はデジカメじゃなくてデジカムを買おう。もちろん三脚も。
 
ところで、なぜかマーカスが来ない。いつまで待っても来ない。
「マーカス、どうしたんでしょう?」
と隣の人に聞くと、
「どうやら陸別でリタイヤしたようです」
とのこと。
ガーン
ということは足寄リエゾンで見たボロボロのフォードは、もしかしたらマーカスの車だったのか。今回のラリージャパンはマーカスのラストランを見るのが目的だったのに・・・。
果たして明日は見れるだろうか。一縷の望みを胸に、コースを後にしたのだった。
 

一日目、その後

本来ならばその後はサービスパークに行く予定だったのだが、マーカスもいないし雨も降ってきたので、諦めて平和園へ。体力をつけるにはやはり一人焼肉が一番だ。
それにしてもマーカスがリタイヤしたのは痛い。自分が見れなかったことよりも(もう3度見ているし)これでワールドチャンピオンはローブのものに決まってしまったのが悲しい。有終の美を飾って欲しかったなあ。
 
<二日目へつづく>

*1:後にそれが逆だったの気づくのだったが・・・