嫌いなもの

　職場での話。

「お、こんなところに虫がいるぞ」
　と、向かいの人が机の下から本を引っ張り出しました。その上には一匹のカメムシ。何を隠そうカメムシは大の苦手で、もう怖くて怖くて仕方がない。無理言って排気口のところから外に逃がしてもらいました。
「なんでカメムシがダメなの？」
「何が理由かはよくわからないんですよ。
　えなの上をカメムシが通ったのかもしれませんね」
　ここで一同目が点に。
「なに、えなって？」
「いや、土に埋めた胎盤の上を通ったものが苦手になるっていうじゃないですか」
「言わねーよｗｗｗ」
「いやいやいやいや」

　ま、昔からの言い伝えだからやむを得ないかなと思ったけど、定年間際の係長ですら知らないし。確かに古典芸能のことだから一般常識とは言えないけれど、｢饅頭こわい｣くらいは日本人として知ってて当然だと思っていたので逆に驚きました。ジャポニカロゴスで落語をやってはどうか。
　
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　週に１本古典落語がポッドキャスティングで聞けるとはいい世の中ですね。科学万能とはこのことか。