憂鬱

丸1ヶ月ぐらい休んでいたので明日から仕事に戻るのがたるいです。できたら引きこもりたい気持ちです。

読書の記録

昨日の続き。

人類の月面着陸はあったんだ論―と学会レポート

人類の月面着陸はあったんだ論―と学会レポート

気持ちは分かるけど大人気ない。

ましてアポロ疑惑は、実在する人の名誉に関わる重大な問題だ。で月面に立った一二人の宇宙飛行士や、それを支えた大勢のNASAの関係者たちを「本当は行っていない」「嘘つき」と呼ぶのは、人類史上最大の偉業を貶めることであり、悪質な誹謗中傷である。あなたがスポーツ選手で、血のにじむような努力の末に素晴らしい記録を達成したにもかかわらず、「インチキをやったに違いない」といわれたらどんな気がするか、想像してみるといい。アポロ11号の飛行士バズ・オルドリンが、「本当のことを言え」としつこく迫る男に腹を立てて殴ったというのも理解できる。僕だって同じ立場だったら殴りたくなる。

僕もその気持ちは良く分かる。だからと言って批判する対象と同じ土俵に立ってしまってはミイラ取りがなんとやらである。対談形式で内輪ノリを披露するのも品がいいことじゃない。
なんと言ってもこの本が痛いところは、人類の月面着陸は無かったろう論とセットじゃないと存在価値が無くなってしまうところ。突っ込みを入れるだけなら内輪でやれば良いじゃないかと思ってしまう。せっかく"疑似科学許すまじ"という強い信念を持っているのであるのだから、もっと実践的な内容に仕上げて欲しかった。応用が利かないというか。
同じような論法を持ってトンデモを説く人間は、この副島隆彦以外にもいっぱいいるんですよ。そういうものに出会った時にどうしたら良いのか、どうやって論駁すれば良いのか、そういった点を説明してあげることが大事だと思いました*1
自分がこういう陰謀論に出会ったときは
双方を比べて、よりシンプルな方が真実である
と、アイザック・アシモフ的に考えます。だいたいの場合陰謀があると仮定したほうが、そうでない場合よりも物事が複雑になってしまいます。アポロ疑惑にしても、何十万人といるNASAの職員や世界中の天文学者・科学者をこんな長期間口止めするほうが、月に行くより難しいことは分かりそうなもの。科学的な突込みが無くてもトンデモ理論の誤りは指摘できるんです。そういうところをこの本でもう少し解説して欲しかったと思いました。

*1:そういうことをすると今後書くことがなくなって困るのか。こうやって一個ずつ虱潰しにしていった方が効率的といえば効率的だけどね