陰謀論は無知の証
つい目に留まって借りてみました。
- 作者: ヘンリー,Jr.クーパー,Henry S.F.,Jr. Cooper,立花隆
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1998/06
- メディア: 文庫
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人類月に立つ歴史、信じない人約2割に
先日報道された、「20光年先のてんびん座近くに、地球そっくりの惑星発見」という海外からのニュース、ご記憶の方も多いだろう。科学が進歩して、生命の存在しそうな惑星さえ発見されようというご時世だが、今でもたびたびテレビ特番のネタになるのが「NASAは、実は月には行っていない」というもの。80年代頃にもこの話題が盛り上がったことがあるような気がするが、最近では『都市伝説』というキーワードで再び軽くブームに。ORICON STYLEの調査でも「人類は月に行っていないと思う」人がなんと2割に達したから驚きだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070503-00000000-oric-ent
空いた口がふさがらないというか・・・。こんなトンデモなことを言うのって人類の月面着陸は無かったろう論でおなじみの副島隆彦くらいかと思ってたよ。ま、ほとんどの人は特に考えないで面白そうなことを言ってるだけなんだと思うけどさ。
科学的な知識がなくてもどっちが正しいかは分かりそうなものだけど。もし陰謀だったとしたらNASAだけで済む話じゃなくて、それこそ世界中の科学者全てが人類を欺いていることになりますよね。その全員を口止めしておくことの困難さを考えたら(口止めすることの無意味さを考えたら)、実際に月に行く方が簡単だと思うんだけど。
さて本の感想です。
最高のチームが困難に立ち向かう物語が面白くないわけがないんですが、それよりも超天才が寄ってたかって作り上げた、絶対に壊れない"はずの"システムが駄目になることの恐ろしさが素晴らしい。仕事でよく似たような目に遭うので非常に共感できましたw
酸素タンクの爆発という大事故にもかかわらず乗組員の誰も気がつかなかったのに驚き。真空中だと音が伝わらないのは分かるけど、振動とかが宇宙船の外殻を伝わって船内に響くものだと思ってました。否定派の言う「着陸船が月を飛び立つ時に乗組員が普通に話をしているのはおかしい」というのはちょっと一理あるかも、と感じてたのですっきりです。
立花隆の訳も良かったです。結構翻訳ものはそれがダメで挫折する場合が多いので。本人の書いた本も読んでみたいと思いました。
8/100