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【衝撃シミュレーション】もしも山田太郎がおおさか維新から出馬していたら

思考

別にここは政治ブログじゃないんだけど、やはり山田太郎の落選のことについて一言触れておかなければ他のことは書けないような気持ちになってしまったので、2週間前に投開票が行われた参議院議員選挙の結果を振り返ってみることにした。

pikaring.hatenablog.com

我々は健闘した

残念ながら応援及ばず山田太郎は落選してしまったけれど、全国から届けられた29万票は、表現の自由を守りたいという人たちの多さを広く知らしめた結果となった。都知事候補小池百合子*1が応援演説に招いたところからも、彼が

「数字を持っている男」

として認知されたことが分かる。

agora-web.jp

候補者個人として破格の得票を集めたにも関わらず当選できなかった理由は、主に新党改革の凋落にある。参議院比例代表選出議員選挙で議席を獲得するためにはおおよそ100万票が必要というのは自分の想定通りだったけれど、新党改革が6年前のほぼ半分、58万票しか得ることができなかったのは想定の範囲外だった。しかもその内訳は次の通りで、

政党の名称を書いた票数よりもよりも山田太郎個人の得票数が多いというのも単純に凄いけれど、彼以外の名簿登載者の泡沫っぷりが著しい。新党改革山田太郎が当選するにはさらに50万票集めないとならなかったわけで、さすがにそれはちょっと厳しいだろう。新党改革から出馬した時点で、すでに勝敗は決まっていたのかもしれない。

おおさか維新とのゴタゴタ

そう言えば参院選直前に、おおさか維新への加入と離脱がスキャンダラスに報じられていた。比例代表から出馬したいという山田太郎と、埼玉県選挙区から出馬すべしというおおさか維新側の主張が噛み合わなかったことが原因だと言われている。

togetter.com

けれど今回の選挙結果を見れば「埼玉県選挙区からの出馬」という条件を蹴ったのも正解だったことが分かる。埼玉県選挙区では定数3に対して自民党が89万票、民進党が67万票、公明党が64万票で議席を獲得して、対するおおさか維新は22万票と冴えない結果に終わってしまった。

もし仮にここに山田太郎が出たとしても全国30万人の支持は届かないし、いまの「数字を持っている男」という評判さえも得られなかっただろう。これではお話にならない。

さてここからが今日の本題。

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日本の比例代表選挙はドント式という方法で獲得議席数が決まる。政党+個人の票を合計して自然数で割り、数字が多い順に1議席ずつ取っていくという仕組みだ。

今回の得票数を当てはめてみたのが次の表で、色付けしてあるセルがそれぞれの政党の獲得議席数を表している。

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そして次の表が衝撃シミュレーション。山田太郎が獲得した291,188.955票を、新党改革からおおさか維新に移動させてみたものだ。

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表の上部の獲得議席数を見比べてほしい。おおさか維新が4から5に1議席増加し、その代わり自民党が1議席失っている。

もしもおおさか維新が素直に山田太郎比例代表から出馬させていたら、今回の選挙で当選した4人に加えて山田太郎が当選していたのだ。

なぜこのようなことになったのだろう。先程から約100万票で1議席だと言ってきた。ひとりの力では多いけれどもたかが30万票、一人で議席を獲得するには足りないはずだ。ところが今回おおさか維新は515万票を獲得して「4人」しか当選させることができなかった。マニアックな話になるので省略するけれど、今回の選挙では正確には106万票で1議席を獲得できる計算になっている。106×5=530で、あと15万票あればおおさか維新は1議席増えていた計算になるのだ。

ここにミスター29万票が加わっていれば……!

これを世紀の大失策と言わずになんと言おう。ちなみに選挙区選挙の供託金は300万円で、比例代表は600万円。おおさか人らしく300万円の差をケチって名簿に載せることを渋っていたのだとしたら、結構笑える。

大橋巨泉のことを思い出した

しかし仮に山田太郎がおおさか維新から出馬して当選していたとしても、いままでどおり表現の自由を守るために活躍できたかどうか分からなかった。

先日亡くなった大橋巨泉は、15年前の参議院比例代表選出議員選挙で民主党から立候補してトップ当選した。が、民主党の考え方と噛み合わず、わずか半年で辞職してしまう。比例代表から政党の力を借りて出馬する以上、組織の論理に当てはまらない者は排除されてしまうのだ。

そう考えると、維新から山田太郎が出たとしても同じようなことになってしまっていたかもしれない。みんなの党は好き勝手を許してくれたのかもしれない、新党改革で当選できていたら完全にワンマンショーだったろうけど、おおさか維新の場合はどうだろう。わずか2日というスピード離党には、そんな事情もあったりなかったりするのかもしれない、と勘ぐってしまう。

参議院選挙は全国区一本ではあかんのか

そういう意味では日本の選挙制度というのは片手落ちであるな、と思わざるをえない。日本全国に薄く広く支持者がいる人を国会に送り出すことは、実際問題なかなか難しい。かといって政党の力を借りれば党議に拘束されてしまう。

個人的には参議院選挙は、全国区の比例代表選挙一本に絞ってしまったほうがいいと思っている。それで泡沫政党が乱立することになったとしても、それは国民の多様な価値観を反映しているとも言えるわけで。逆に衆議院の方は選挙区だけにしてしまえば、二院制の特徴がよく現れると思うのだがどうか。

というわけで、今回改選となった121議席全てを比例代表選挙での得票数に応じて配分してみた。上段は今回の選挙結果。中段はシミュレーションの結果。そして下段はそれによって獲得議席数がどうなるかの差となっている。

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議席数が増えたことで44.5万票で一人当選することになり、ハードルはぐんと低くなった。今回議席を獲得できなかった日本のこころや新党改革、怒りの声、そして支持政党なしにまで国会議員が誕生するという結果に。

こういう結果も面白いと思うんだけど、下位の政党に議席が配分された結果、自民党民進党は大幅に議席を減らすことになってしまった。これでは実現不可能かな。国会議員国会議員を選ぶ仕組みを考えているうちは、抜本的な改革というのはできそうもない。

そんなわけで、山田太郎が国政に復帰するのはかなり険しそうだ。3年後の参院選までに有力な革新自由主義な野党ができあがるか、というのも微妙だし。小池百合子の尻馬に乗って、いっそ自民党に入ってしまうのが一番現実的なのかな。

*1:彼女が都知事としてどうなのかについてはここでは論じない