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名人戦第3局の大盤解説会に行ってきました

名人戦大盤解説会が地元でも行われるということで、なんとか仕事を間に合わせて途中参加してきました。

羽生名人の勝負術!

 第3局は途中までずっと挑戦者の行方八段有利の展開だったのですが、羽生さんから鬼手の△5八馬が出て形勢が混沌となり、ちょうど面白くなってきたところ。

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行方八段の▲2七香に対して、あえて金取りにならない位置の△5八馬! これが完全に行方八段の思考を狂わせたのだった…!

ここから、

▲6八金打

△7六歩

▲5八金

△7七歩成

▲同玉

と進んで夕食休憩に。

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状況は、言ってみれば馬銀交換。まだまだ先手が有利でもおかしくありません。自分もまだまだ行方有利だと思って会場に着いてみると、長岡五段も現地控室も羽生有利で固まっていました。対戦相手のみならず、見ている全員を飲み込んでしまう、これが羽生マジックか…!

解説は長岡裕也五段

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解説は長岡五段、聞き手は地元アマ強豪の笠井さんでした。

長岡五段は羽生さんの研究相手でもあるので、そこら辺の裏話なんかが出たらいいなあと思っていたんですが100%局面に集中していて、とてもそんな余裕は無さそうでした(^_^;)

それでもやっぱりプロはプロ。溢れ出るように次から次へと読み手が披露される様子に、全く飽きることはありませんでした。聞いてるだけでも脳が疲れる!

玉頭に綾をつけるも 

さきほどの局面から、決め手と言われている△6九飛を打たれたAperyに検討させてみると、評価値は先手の+700。まだ先手有利と言ってもおかしくない局面なのですが、ここから玉頭に綾をつけていった局面がどうもおもわしくありません。

△6九飛

▲2四歩

△同歩

▲2三歩

△同玉

▲2五歩

△同歩

▲2四歩

△同玉

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ここはどうだったのかなあ。個人的には△6九飛車に、3一銀と捨てて2三に香車が成って玉を下段に縛り付けたほうが良さそうに見えました。結果的に上部に逃げられて「中段玉寄せにくし」になってしまったような。

  この局面で長岡五段は「▲3六銀以外見えない」とのことで、「他にいい手はありませんか?」と問いかけてきました。ここで自分が指摘したのが▲9二香成から王手飛車を狙う手順。

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だったのですが、駒があとひとつ足りず「残念!」な結果に。金が手元にあれば…!

先に現地についていたユーベさんは▲9一角を指摘。確かに8二の飛車を動かせば入玉の望みも出てくるし、もしくは7一から打って働きかけていくのも有力だったようです。

その後は予想されていた▲7九銀ではなく▲7六銀!の鬼手から▲7一銀と飛車を追っての入玉を狙う粘り強い指し手が出たのですが、飛車を逃げている時代ではないとばかりに羽生さんの華麗な手順が決まって、行方八段の投了となりました。

最後の局面はニコ生でも見ていたのですが、完全に決まってしまった後でも投げきれず苦悶の表情で脇息にもたれかかって嘆く行方八段の様子に、勝てる将棋を落としてしまったことの辛さ、真剣さを感じ取ることができました。

これで今期の名人戦は後手番が三連勝して羽生さんの2-1に。当初の予想では羽生さんが余裕で防衛だろうと思っていたのですが、内容はスコアよりも接近していて、続く第四局がどうなるのか注目したいところです。

長岡研究ノート 相居飛車編

長岡研究ノート 相居飛車編

 

っていうか、長岡本の一冊でも持っていけば良かった。いくらでもサインをしてもらえる雰囲気だったのになあ。函館で現地解説会が行われる機会なんて滅多にないのに惜しいことをしました。次こそは!