セイコー ロードマーベル36000 5640-8000

アンティーク時計の入門編?

f:id:Red-Comet:20150110202452j:plain

うっかりヤフオクで落札してしまいました。

ロードマーベルはかつてはセイコーの上位機種で、グランドセイコーが出てからは準高級機といわれ、トヨタで言うならレクサスが出た後のクラウン的立ち位置とも言われています。

なんでこんな古い時計を買ったのかというと、ほかではちょっと得難い特徴を持っているからでした。

脅威の10振動の力を見よ!

この時計は1秒間に10振動する、ハイスピードモデルになります。セイコー5の6振動とは雲泥の差であるというのが分かるでしょうか。

クォーツが1秒間に1つずつ進むのに対し、機械式時計はもっと細かく刻んでいくのですが、セイコー5は6振動、それより上位機種になると8振動、最上位機種になると10振動になります。とはいえ、6振動以上の腕時計は簡単に買える値段ではありません。

8振動でもこの価格。

10振動だとさらにこの10倍ぐらいの価格になってしまうのですが、なぜこんなに高くなっちゃうかというと、振動数を多くすればするほど時間の精度が上がる代わりに、部品の精度も要求されます。そんなわけで上位機種だけがハイスピードを許されているのです。

40年前の高級品

というわけで庶民にはなかなか手が出ないハイビート機種なんですが、発売から40年もたったロードマーベルは、オークションで1万円程度で購入することができます。

f:id:Red-Comet:20150110214653j:plain

高級品のわりに普及していたのか程度のいいタマも多いうえ、保守部品もあるしオーバーホールにも対応していて、ビンテージウォッチの入門品には良さそうだと思って手に入れました。

汚れが酷い

f:id:Red-Comet:20150109213544j:plain

写真の見た目だけで選びましたが、見えていない部分の汚れが酷い…。手垢がついているどころのレベルじゃなく、こんもりと盛り上がっておりますorz

f:id:Red-Comet:20150110214319j:plain

付属のステンベルトはサイズがあっていない上にさらにドロドロなので廃棄決定。

爪楊枝で汚れを削り取り、綿棒にピカールをつけて磨くこと小一時間、どうにか見られるようになりました。時計の清掃には、模型用の先が尖った綿棒が便利ですね。

ベルトを買いに

ラグ幅が19mmと手持ちのベルトではあわないので、普通にAmazonで買っても良かったんですが、地元の時計屋さんも覗いてみることにしました。

偶数のサイズが一般的なので19mmは、運よく在庫があっても品揃えが悪かったりしたんですが、運良くバンビの各種モデルを取り揃えているお店に巡りあうことができました。

スリーエム社が開発した、撥水加工した本革を使用したベルトです。質感は悪くないのですが、リンク先のレビューにあるようにちょっと長さが短すぎるきらいがありますね。

店舗だとAmazonで買うより一割ぐらいは高いんですが、その場で付け替えてくれるし、またバンビの製品が欲しい時に寄ってみようと思います。

いま気になっているのはこちらのベルト。革の大敵は汗や湿気、というわけで夏は革ベルトを使えないのですが、この製品はひんやりとした触感で汗を抑えてくれるそうです。

夏あたりになったらまた買いに行こうかな。

ちょっとレトロなドレスウォッチ

f:id:Red-Comet:20150110213550j:plain

シンプルかつシャープな王道スタイルだと思います。毎時36000振動を表す文字もどことなく誇らしげ。

ベルトは黒がベストマッチなのかな。冠婚葬祭どこにつけて行っても恥ずかしくない立派な代物です。

手巻きなのでデイデイトがないほうがむしろ楽でいいかも。セイコー5は止まってしまうと時計合わせが大変で…。

f:id:Red-Comet:20150109232822j:plain

よく見ると文字盤は平らではなく、中央が盛り上がっていて外周側が凹んでいます。視認性を上げるためなんでしょうか。それとともに針も先端が文字盤側にわずかにカーブしているようです。こんな細かいところにもこだわりがあって、さすが高級品だと感心させられます。

これは良い買い物をしたなあ。今から46年前に販売された時計が何の因果か自分の手元にやってきたので、あと54年ぐらい大事に扱ってあげたいですね。