直木賞を振り返って
直木賞は予想通り桜庭一樹が取りました。
今までも人よりは多くの本を読んでいると思っていたのですが、100冊読書を始めて自分の知らない面白い本が世の中にあることに気づかされ驚いていたのですが、その中でも『私の男』は格段に凄い本でした。
他の候補の本はこれから読み始めます。まず1作目。
- 作者: 馳星周
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/09
- メディア: 単行本
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暗く冷たく、閉塞感で満たされたテーマが、北の大地の寂しい風景と良く似合います。『私の男』もそんな話でしたが、そちらは全てを捨てて逃げ出した方で、こちらは捨て去ることができない者たちが主人公となっています。
収められている短編の中では「世界の終わり」と「青柳町こそかなしけれ」が秀逸でした。特に後者は舞台が函館なだけに、描写の正確さに脱帽しました。
氷に閉ざされて物理的にも将来的にも出口が無い、まあ、北海道なんてそんな土地ですよ(苦笑)
84/100
- 作者: 万城目学
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/11
- メディア: 単行本
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こちらは前回の直木賞で候補になった鴨川ホルモーの続編、というかサイドストーリーです。
最初は(二匹目のどじょう)という言葉が何度か頭をよぎりましたが、本編ではあまり触れられていなかった"凡ちゃん"こと楠木ふみの知られざる側面にはドキッとさせられました。高村のちょんまげにはあんな理由があったとは!
それでも前2作に比べてかなりパワーダウンしている感がいなめません。読後にもう一度『鴨川ホルモー』を読みたくなりました。
85/100
ところで、始まりましたね。ドラマ「鹿男あをによし」。
玉木宏という人がどういう人か番組を見るまで全然知らなかったのですが、なかなか神経質そうで線も細そうでイメージ通りです。演技も良かった。堀田イト役の娘もズバリ
かりんとう先生が女性になったのには・・・ですが、こうしとかないと世の中的に問題なんですかね。特に最後とか。
脚本もくどいけど、ドラマを見る人を考えたらくどすぎるくらいにしないと仕方ないんだろうし、それほど悪くは無いんですが、カメラワークがひどすぎて酔いそうでした。なんであんなに横移動させるのでしょうか。しかもスピードが一定じゃなく、見ていて気持ち悪くなります。運動会の撮影をする素人とあまり変わりません。
ロケで一発撮りなら仕方ない*1といえなくもありませんが、これはドラマでしょ? ディレクターがカメラマンを兼ねているんじゃないんだから、しっかりプロらしい絵を撮って欲しいです。
最近とみにカメラマンが素人並みな番組が増えているような気がします。近視眼的にしか物事を見れないというか、ファインダーの中に映っているそのままのサイズでしか捉えていないんでしょうね。そういう番組を見ていると疲れます。
意外とカメラ使いがうまいのはエンタの神様ですね。芸人さんの使い方には問題ありですが、見ていて目が疲れない見せ方をしていると思っています。
*1:それでもプロならきれいに撮るべきですが