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下北半島一周の旅 ~神の御業か仏ヶ浦~

旅の一日目は楽しく飲んで部屋に戻ってそれこそ泥のように寝付いたけれど、酒は好きだが弱い方なので酒量はそれほどでもなく、多分4合ぐらい飲んだかな、それも日本酒ばかりなので特に二日酔いになることもなく定刻に目覚めることができた。それでもだいぶボーっとしながら朝食を食べる。

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ご飯が美味しいのは昨日も感じていたけれど、みょうがの味噌汁がさっぱりとしていて朝にふさわしいと思った。しかしこういう『全部盛り』な朝食で、納豆や卵を食べてしまうとそれだけでご飯をもう一杯食べることになってしまうと思うのだがどうか。そんな理由で卵と納豆をパスした自分であってもお代りしたというのに、だ。

仏ヶ浦へ

この日は朝イチのフェリーに乗って、と言っても函館に戻るわけではなく、下北半島随一の観光名所であるところの奇岩、仏ヶ浦を眺めに行く予定になっていた。最初の便は9時ちょうどなので、このために佐井村に泊まったと言ってもいい。大間からここまでほんの2、30分の距離だけど、万が一通行止めになったり寝坊してしまっては計画がおじゃんになってしまう。そんな保険のための佐井村泊が、面白い出会いを生むんだから旅は面白い。

宿から5分でアルサスに到着。アルサスとは、言ってみれば佐井村版のアスパムみたいなものだと思ってくれたらいい(青森市に行ったことがない人には分からない説明)。

saikanko.sakura.ne.jp

観光物産館とフェリーの待合所が一体となった施設で、周囲には佐井村唯一のコンビニエンスストアもある。

710! 営業時間はもちろん午前7時から午後10時まで。もちろん他意はない。

サイライト号に乗船

仏ヶ浦へのフェリーは2社が定期運行しており、やはりホームページを見比べて、内容が分かりやすくメールで予約ができるうえに船がカッコ良さそうな『佐井定期観光株式会社』の方を選択。

www.saiteikikanko.jp

サイライト号と言うネーミングは、「佐井村に再来する人」という意味らしい。このセンス、嫌いではない。

待合室は閑散としており乗り込んだのは我々を含めて7,8名。その中には昨日出会った夫妻もいて、本当は大間のマグロ祭りで解体ショーを見る予定だったのだが、我々が仏ヶ浦を観に行くと言うし、奥様の方もマグロ解体ショーなら近所のスーパーでもやっていると同調したため予定を変更したとのこと。「下北半島随一の奇岩奇景であるらしい」と熱弁した身としては、連休にも関わらずお客さんは少ないし、もしも大したことがなかったらどうしようかと不安に襲われていた。

するとそこに、カメラを担いだ老人の集団がドヤドヤと現れ、にわかに50人乗りの船の半分ほどが埋まってしまった。全員ニコンやらキャノンやらを首から下げて、そしてどのカメラにもバズーカのような超望遠レンズ、さらには三脚や二台目のカメラまで持ち込んで相当な重装備だ。これだけの資材を持ち込んで撮影したがるような場所ならばがっかりすることはないはずだと、不意の援軍に勇気が漲ってきた。

行きの船で失敗したのは右舷に座ってしまったこと。仏ヶ浦は南にあるので陸地は左手側になる。そして仏ヶ浦に到着する前からこの海岸には、海からしか拝むことができない奇景絶景が広がっているのだった。カメラ軍団の背中越しにちらりと見える景色を横目に、帰りこそ、いや、帰りも右舷に乗ろうと心に決めて黙って海を眺めていると、ぽつりと浮かんだ小島に白い灯台がそびえ立っているのが見えた。

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これはオヨ島といって、このあたりには浅瀬が多くて座礁する船が相次いだことから灯台を設置したとのことだけど、よく目を凝らしてみると小舟が接岸されているように見える。釣り人だろうか。こんな絶海(でもない)の孤島に住んだのなら、毎日どんな暮らしになるだろうかと妄想しているうちに仏ヶ浦に到着した。

仏ヶ浦

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海ヤバい。綺麗すぎる。なにここ、南国なの!?

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そしてこの絶景! この奇岩は神か仏が作り給うたものかと昔の人が思ったとしても仕方がない。なにせスケールが違いすぎて、人間を写り込ませないと大きさの感覚がまるで分からない。

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山がまるごと一つ石灰石でできていて、それが長年の風雨で削られてできたものだというので、この風景もあと何千年かすると見ることはできなくなるのだろう。早く観に行かないとね。

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海がきれいなのはやっぱり石灰岩のせいだろうか。だけど北斗市にあるセメント工場の前浜は、峩朗鉱山という石灰岩の山が控えているのに全然綺麗じゃない。砂浜だというのもあるし、人口密集地だからなのだろう。仏ヶ浦の一体は国立公園であり、周囲には人家が全くない。陸からアクセスするには険しい山道を30分ほど歩かないとならない陸の孤島になっていることも、この美しい風景が守られている要因なんだろうな。

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鉱山として掘り出してしまえばお金になるものを、こうやって風雨に削られるばかりにしておくのは伊達や酔狂に思えるけれど、そーゆー遊び心がないと面白くない。人はパンのみにて生きるにあらず、だもんね。

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上陸時間の30分はあっという間に過ぎてしまい、すぐに船に戻る時間になってしまった。カメラ軍団はこの後の便で戻るらしくて帰りの船には乗らなかった。いや確かにデカいカメラで十分に腰を落ち着けてゆっくり撮るに値する光景だもんなあ。

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帰りの船では計画通り右舷に乗り込んで、海からしか見ることができない絶景を堪能できた。陸から仏ヶ浦に来たらこの風景は拝めないんだもんね。ここは多少高くても船で来たほうが良さそう。

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船が佐井村に到着すると、観光バスから降りてきた大量の乗客と入れ替わりになった。始発の時は(たったこれっぽっちの人数しか乗らなくて大丈夫なのか)と勝手に経営状況に不安になったけれど、それは全くの杞憂だったようだ。

そしてこの時間に佐井村にやってきたということは、この大集団は多分大間か下風呂温泉郷のホテルに泊まってやってきたのだろう。そこから安全に船に乗るにはやはり第2便になるわけで、空いている始発が狙い目だとすれば、やはり仏ヶ浦を見るためには佐井村に泊まるのがベストなんだろう。早起きは三文の徳。せっかくの秘境を堪能するのに観光客が大混雑では興ざめで、それはローマでフォロ・ロマーノを見たときも同じことを思った。

っていうか仏ヶ浦に残ったあのカメラ軍団は、帰りの船に乗り込めたんだろうか。船がほとんど満員になったように思えたんだけど……。

最後に佐井村に関するアフィリエイトでも貼ろうと思ったんだけど、なんか変なのを見つけてしまった。

なにこれ怖い。