負けた・・・。

プロの作家に対して言うことじゃないけれど、なぜか負けた気がしました。

ジョン平とぼくと (GA文庫)

ジョン平とぼくと (GA文庫)

魔法を使うのにイメージが重要だというのは自分も昔思っていたことだったので、やられた!と思ってしまいました。
朝から晩までラノベばかり読んでた中学生の頃、「なぜ自分は魔法が使えないんだ」と真剣に考えたことがあるのです(誰もが通る道であって欲しい)。そこで思ったのが呪文を唱える時に頭に描くイメージが重要なのではないかということ。文字の発達によってそれまで口伝によって伝えられていた秘儀が明文化され、表に出る"言葉"の方だけが呪文として残されたのではないか、そして魔法を発動するための片輪であるところの"イメージ"の方は失われてしまったのではないかと、真面目に考えていたのです。
そのせいで敗北感をちょっとだけ感じてしまう結果に。複雑な気持ちです。
 
敗北感とは裏腹に内容は気持ちが解きほぐされるような優しいストーリーに仕上がっていて、ますますやられた感が増幅されました。特に鈴音とのやり取りはこういう結末になるんだと予感できていても心がギュっとつかまれてしまって不覚にも感動(・_・。)グスン
誰も(肉体的には)傷つかない、心が傷ついても支えてくれる絆がある、包まれるような優しさを感じた作品でした。
 
53/100