道南にこんな秘湯があったのか! 盤石温泉に行ってきた

3月下旬と言えば本州では花見のシーズンだったりするらしいんだけど、ここ北海道は山の中に入ればまだまだ残雪がたっぷりと残っている、冬の名残のような季節である。
ただ、天気は徐々に春めいてきて、すっきりとした青空の日が増えてくる。
そんな日にオススメの観光スポットは、山の中の秘湯だったりする。

有名な観光地にある温泉とは違って山の中の温泉は、露天風呂からの眺めが開放的で最高なのだ。
しかし、山の中で開放的ということは、虫との戦いが避けられないということでもある。
せっかくリラックスしに温泉に行って、尻の辺りをしこたまアブに刺されたりすると目も当てられない。

というわけで残雪が消えやらぬこの時期こそ、露天風呂を満喫する最高のシーズンなのだ。

去年は二股ラジウム温泉に行った。

pikaring.hatenablog.com

今年はどこに行こうかな、と思いながら、特に決めないままに家を出て、森町の駅前でイカ飯を食べながらGoogleマップで温泉を検索していると、見知らぬ温泉が表示された。
その名も「盤石温泉 盤石山荘」。

場所は銀婚湯とか清龍園の手前にあるらしいんだけど、この二つとも何度となく行っているのに、そんなところに温泉があるだなんて思いもよらなかった。
というわけで本日の第一目標は盤石温泉にすることにした。

例のセイコーマート八雲落部店の近くの交差点を曲がって銀婚湯方面に進んで、しばらく進むと「盤石山荘」と書かれた看板があるので、そちらに曲がる。

ここからややしばらく未舗装路を進むと、やがて橋が見えてくる。
橋のそばには車一台をどうにか停められるスペースがあるのでそこから降りて木の橋を渡っていくと、ついに盤石山荘が姿をあらわすのだった。

f:id:Red-Comet:20200325224232j:plain

絶句。
これは、廃墟?
いや、途中の未舗装路にはまだ真新しいタイヤのあとが残っており、山荘に至るまでの道にも足跡がついているので、人の出入りはこの外見には見合わないほどに多いようだ。
というわけで扉をガラガラっと開けて入ると、4畳半くらいの脱衣所と、引き戸を挟んで隣には小ぶりの浴槽が鎮座していた。

f:id:Red-Comet:20200325224237j:plain

一応、外の扉には鍵がついているので、この浴槽で見知らぬ他人と混浴する羽目にはならなさそうだ。
颯爽と服を脱いで湯船に浸かってみると、泉質は思った以上に素晴らしい。
お湯は無色透明の源泉掛け流し。

f:id:Red-Comet:20200325224243j:plain

ちょっとぬる目のお湯だけど、お湯がぬるっと滑らかで、いかにも成分が濃いような気がする。

これだけの温泉にして料金は無料。
どうやら個人所有の温泉らしいんだけど、随分と太っ腹だなあ、と思った。設備はアレだけど。

利用者が記帳するノートを見ていたら、平日でも意外とお客さんが来ていて驚いた。
世の中には物好きな人が随分といるものだなあ(人のことは言えない)。

突然のあざらしさん

ふとソファーのところを見ると忘れ物を探しているとの張り紙があって、最初は「へー、大変だなあ」ぐらいに思っていたんだけど、探し主の名前を見て思わず二度見してしまった。

f:id:Red-Comet:20200325232631j:plain

のんびり出版社のあざらしさんって、あの舘浦あざらしさん!?

iitabi.biz

以前外回りが多い職場にいた時に、車の中で流していたHBCラジオにちょくちょく出演して、北海道の温泉について話していたのをよく覚えている。
温泉関係の本をたくさん出しているので、これを機会に買ってみようかな。

ボイスレコーダーの方は、自分もちょっと探してみたんだけど全然見つからなかった。
誰か先に見つけて連絡しているといいんだけど。


そんなこんなで、行き当たりばったりで出発したにも関わらずいきなり素晴らしい温泉に出会って優勝だった。
探せばまだまだあるもんだね。