香港旅行2018その11 ~空港で足止め~

瀕死の思いで空港までたどり着くと、そこには我々と同様に飛行機を待つ旅行者が群れていてかなり混み合っていた。みんなどうやって来たのだろう。くたびれっぷりを見るに昨日の日中、まだ交通機関が生きているうちにたどり着いたのかもしれない。確かにその方が正しい気がする。のんびりしていたせいで空港にたどり着けないところだったし。でもまあ結果オーライではある。

どうにか空いているベンチを見つけて落ち着くことに成功して、早速探検の旅に出た。

クモ型ロボットが雨漏りを補修中。

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あまりに暇なのでタバコを買った。パッケージがやばい。致命って。

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屋内完全禁煙なのはわかるけど、屋外のベンチ(喫煙所ではない)の周りが吸い殻だらけでひどい有様だった(吸ったけど)。

なんやかんやしているうちに6時になり、ANAのカウンターに並んで説明を聞くと、午前8時だと聞いていた出発便は午後10時になったという。

だったら最初っから言っとけや!

それを知っていれば真夜中に車を飛ばして来る必要なんかなかったのに。無駄に急がされたわ。

弱り目に祟り目

ANAのアホさに嫌気が差して、そして空港の中はどんどん人が増えてきて落ち着くスペースもないし、どこか近くで安い宿をとって夜まで寝るか、と思ってExpediaで検索すると、意外と周囲5km以内にぽこぽこと安宿が発見できた。これはいいぞ、とタクシーに乗り込んでホテルの名前を伝えると、なんだかわからないがものすごい山の中に入っていく。道の状況は、さっき空港まで来たときよりもさらに悪い。

たった5kmなのにどれだけかかるんだ? と思ってGoogleマップで確認したら、直線距離では5kmだけど、実際は島の反対側にあって山を超えていかなければならないため道のりは20km以上あり、空港からホテルまで1時間もかかるということがわかった。Expediaのアホー!

行きはいいけど帰る段になって通行止めとかになってたら目も当てられないので、仕方なく運ちゃんに「空港に戻ってくれ」と伝えて戻ってもらった。疲れていると正常に頭が働かなくなるから困る。

空港に戻っておみやげを物色していたら、ずっと欲しかったものを見つけて狂喜乱舞した。

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例のTiny社のジオラマが全部揃っている! なんで香港製なのに香港で買えないんだ、と思っていたら空港にあったとは!

TINY Bd11 香港旧市街 ジオラマビルセット 完成品

TINY Bd11 香港旧市街 ジオラマビルセット 完成品

どれを買うか迷ったけれど、上記のジオラマセットは流石に大きすぎるので断念して、1/35のミニチュアを「とりあえず全部くれ!」と頼んだら「No.2だけ売り切れだ」という。ひとまずあるだけ全種類買って、残りはebayで買って全部揃えてみた。嬉しい〜。

www.hongkongnavi.com

あとで調べたら尖沙咀に店舗があったんだね。オタクビルなんか行かずにそっちに行けばよかった。下調べが足りなかったわ。

ちなみに空港の中にはTinyの1/1みたいなオブジェがあってちょっと面白かった。

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街中にはこーゆー屋台がないんだよねえ。都会だから仕方がない。

困ったら金で解決

そんな感じで割と楽しく空港で過ごしていたんだけど出発まであと12時間という膨大な時間を費やすには程遠く、仕方がないので先に出国手続きを済ませてしまって、ラウンジに入ることにした。一人あたま1万円以上かかるけれど、快適さには代えられない。

www.hongkongnavi.com

ところがこのラウンジというやつが、お値段以上に快適で楽しかった。寝られるような設備が少ないのが難点だけど、早く行ったおかげでソファーをゲットして、クーラーが効きすぎで寒かったけれど毛布も借りて優雅に過ごせた。

飲み食い放題だとは聞いていたけれどビールも飲み放題だったのが最高! 思わず「ここはヴァルハラか!」と叫んだ。


IMG_0262 from pikaring on Vimeo.

下から出てくるのが面白すぎる。

食べ物もいろいろあって、中華から洋食からサラダまで、タコスやグリッシーニなどのスナック菓子も充実していてウハウハ。Wi-Fiも早いし、完全に住めるレベル。

衣食住(毛布、無料のビール、ソファー)が揃って、あと必要なのは風呂。シャワーが無料で使えるというのでフロントで申し出ると、シャワールームはここのラウンジにはなく、キャセイパシフィックのラウンジに行って借りなければならないとのこと。ちょっとめんどい。

ちなみにラウンジの出入りは、搭乗券の裏側に書かれたメモを見せれば自由にできる。喫煙所も行き放題だ。

てくてく歩いて 航空のラウンジまで行き、同じく搭乗券を見せるとシャワールームに案内してくれる。制限時間は15分とかなり短いけれど、部屋はキレイだし、

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外の眺めはこんなだし、

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かなり最高。

昨日の夜中からほとんど寝ずにいたのでシャワーでさっぱりできて生き返る気持ちだった。

空港内は「施設内完全禁煙」でワヤだったけれど、出国手続きを済ませた後のフロアは治外法権なのかいたるところに喫煙所が整備されていて捗る。ライターを持っていないので見知らぬ外国人に「キャナイハブアライト?」と言ってライターを借りる。これぞタバコミュニケーション。自分と同様にライターを持っていない人も結構いて、そういう人のタバコの先端から火をもらったりして、海外気分を満喫した。

あとは空港内の売店を散策したりしたんだけど、基本的に免税店って、タバコを除いて国内の量販店で買うほうが安かったりする(お酒でさえ)。高級ブランドだと差額が大きいんだろうけど、買う気がなくて見るだけの自分にとっては、ラインナップは国内と変わらないのでたいして面白くもない。まあ、目の保養にはなるけれど。

ちょっと面白かったのが香港製のパイプ。

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果物のフレーバーがついてニコチンを含まない、使い捨てのプルーム・テックみたいなやつ。香りが強力で、喫煙者の人におみやげで一本ずつ配ったらかなり好評だった。

www.mistlife.com

最後の晩餐

飛行機が遅れると80ドル(約1、120円)分のフードクーポンがもらえるんだけど、カウンターで問い合わせするたびに湯水のように配られるのでクーポン長者になってしまった。おみやげには使えないのでどうにかして食べてしまう必要がある。そこで、かねてからの懸案事項だった「鳥の丸焼きの刻んだのをご飯に乗っけたやつ(焼味飯)」を注文。これは台湾で見たときから食べてみたかったんだよなあ。

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言ってみればワイルド系北京ダックというところか。タレの染み込んだご飯がしみじみと美味い。香港では長粒種の米の美味しさが際立っていた。ビールは日本式ラーメン屋さんで購入。香港料理はどれもビールと合うのに、なかなか一緒に売らないのが不思議。アジアの中では日本人が例外的によく酒を飲むのかもしれない。

これで粥に飲茶に北京ダックに海南鶏飯に焼味飯と、食べたいものはわりと制覇できた感じ。台湾料理はだいたい五香粉が効いていて甘いものが多かったけど、香港料理は日本人が普通に思うような中国料理の味で食べやすかった。その分台湾のほうが異国感があるといえるけれども。

そうこうしているうちに出発時刻の午後10時が近くなり、そろそろかなー、と思って電光掲示板を見ていたら、まさかのディレイ。聞くところによると、台風とは全然関係なく東京でゲリラ豪雨が降って空港が使用不能となり、機材が到着できなかったとのこと。どれだけ運が悪いんだ自分。

しかし真に恐ろしいのは妻の方で、実は旅行に行く前「仕事が忙しくてFGOのイベントが消化できない」とこぼしていたのだった。旅行中もホテルに戻ってからぽちぽちと回していたんだけど、台風でホテルとラウンジに丸二日閉じ込められている間にどんどん進めて、ディレイした飛行機が到着した深夜0時にちょうどクリアしたというから運命を感じる。FGOをやりたいがために台風を引き寄せた可能性が微レ存……?

そんな感じで香港旅行は、前半は楽しかったものの後半は散々(というわりに楽しんだ)という結果だった。

今回の教訓としては、

格安航空券に気をつけろ!

羽田香港往復2万円というチケットを買ってしまった結果、台風が来ているのに旅程を変更できないという悲劇にまきこまれてしまった。2万円分しか楽しめなかったと考えるとバランスは取れているが、もういっそ、東京だけ遊んで帰ってくればよかったかもしれない。

ANAの対応力を信用するな!

安いLCCじゃなく天下のANA様だからトラブルに巻き込まれても安心だろうと多寡をくくっていたら、海外からの問い合わせが全然繋がらなくて無為に通話料がかさむばかりで辛かった。インターネットでの変更に応じないというのも杓子定規だし、振り替えた便が次々と遅れていくし、もうちょっとなんとかならんのか。

朝8時の便だと言われて集合したら午後10時になると言われたり、緊急事態だから仕方ないとはいえ、辛い。

困った時はカネで解決

旅程が伸びたのは困ったけれど、即座にホテルを延泊したり、空港でラウンジを使ったりして快適に避難生活を送られた。台風のとき、ビルの中や軒下に、大きなスーツケースを抱えてぐったりしている旅行者を何人も見たけど、あれはつらすぎるからなあ。

今後海外旅行に行く際はこういうところに気をつけて行きたい(特にアジアは台風が怖い)とは思うんだけど、これから大きな買い物もあるし、家を長いこと開けていられないのでしばらくは行けないかなあ。函館から直行便で2泊3日で行けるようなところが増えたらいいんだけど。

函館からの直行便は、韓国便が復活する予定だったのがこの前の地震のせいで風評被害にあって延期してしまった。タイからの観光客がうなぎ登りに増えているからちょっと期待しているんだけど、どうなるかなあ。