奥尻島一周の旅その5 ~無事に完走~

ワイン工場を見学した後はすぐ近くにある神威脇温泉に向かいました。奥尻島には火山こそありませんが、地震館で紹介されたように北米プレートとユーラシアプレートの境目あたりにある島のため温泉が湧いているのです。

奥尻島で日帰りで入れる温泉は老舗の神威脇温泉と、お城のような外観のゴージャスなリゾートホテルの緑館の2箇所。


本当は緑館に泊まりたかったけど満員でダメだったんだよなあ。次に来る機会があったらここにしよう。

というわけで今回は神威脇温泉へ。

神威脇温泉

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神威脇温泉保養所 | 奥尻島観光協会

中に入ると車椅子に乗ったおじいちゃん(管理人?)がにこやかに出迎えてくれます。脱衣所には貴重品入れがないので入り口脇のロッカーを使うといいこと、1階と2階に浴場があるが、1階は温度が高く眺めも悪いので2階のほうがオススメであるなどなど。その言葉に従って2階のお風呂に行ってみました。

露天風呂がなく、窓も潮で曇って外の風景があまり見えないのは残念でしたが浴槽は広々としており、温度もぬるめ(40度くらい?)なのでゆったりできます。見た目は茶色くて鉄系かなと思ったのですが、海のそばなので食塩泉でしたね。なめてみると苦しょっぱい。食塩泉は湯冷めしにくく体を暖める効果があるのでツーリングには最適の温泉です。そんなに温度は高くないのに手先と足先がジンジンと熱くなり、体の芯から暖まりました。

帰りにどこに泊まったのかと聞かれ、「岡本旅館です」と答えると「人がたくさん泊まるところのほうがいいからね」とのこと。おお、そうか。あそこより小規模なところはヤバいのかもしれないなあ。

いきなり冒険島

温泉を出て向かったのは、山頂にある球島山展望台。奥尻島の北半分をぐるりと眺められると聞いて寄ってみることにしました。

平坦な海岸線から曲がりくねってアップダウンの続く山道に入ると、バイクの楽しさが倍増します。右へ左へつづら折りの道を、体を傾けながら車線いっぱい使ってアウトインアウトでコーナーを抜けていくと、時速30kmでもレーサー気分が味わえます。これはハマる。

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展望台にたどり着くと、そこには見慣れた看板が。これはもしや冒険島? 地図にあるチェックポイントに入っていないし今持っているヒントだけでは解けない問題なので、チェックポイントを全部巡った後に訪れるべき最終ポイントっぽい。

ゲームと違っていきなりラストダンジョンに乗り込めちゃうんだから、チェックポイントの回る順番は事前に書いておいてもらいたかったなあ。想定と違う回り方をしたら興ざめだし、訪れた後でそこにもヒントが隠されていると知ってまた戻るのもめんどくさいし。

球島山展望台は絶景だけどとにかく風が強い。もっと暖かい季節でなおかつ晴れていればなあ。



ここからは北部にある賽の河原公園を目指して進みます。途中に未舗装路があるというので警戒していましたが、原付でも余裕で通れるレベルだったので楽勝でした。大きな車ではすれ違えないような細い道もラクラクで楽しい。

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食事処 北の岬さくらばな

あえて賽の河原までやってきたのはここで昼食を食べるため。そろそろ奥尻島らしく海鮮でも食べようと思っていたんですが、小雨が降ってきて寒いので名物の「なべつるカレー」にしました。

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奥尻港のすぐ近くにある鍋釣岩を模したカレーで、アワビまる一個を筆頭にエビ・イカ・ホタテ・たこが入っています。カレーがぬるいのは勘弁してほしかったけど、観光客向けメニューとしてはまあまあ。騙されたと思ってこーゆーのを食べるのも旅の醍醐味です(そうか?)

併設されているお土産屋さんは品揃えが豊富ですがやはり函館で作られたものが多く、製造者のところに上から「奥尻島」のシールを貼るのはどうかと思いましたぜ。

宮津弁天宮

昼食を食べた後は冒険島の残り1つのチェックポイントを目指して宮津弁天宮に向かいます。

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ヒントをまともに読まなかったせいで、激しい急勾配を往復するはめに。

疲れ果てて戻ってきて、改めて冒険島の東のチェックポイントを見つけたところ衝撃の事実が突きつけられました。なんと、東のポイントのうちもう一箇所はさきほど訪れた賽の河原公園の中に隠されているというのです。また戻るのか! めんどくせー! 最初っから地図に回る順番を書いておけよなあ。時間ギリギリに宮津に来ていたら西の河原と球島山の2つ巡るの無理かもしれないじゃん。

小雨も降ってきて、正直ひとつぐらい抜かしても謎は解けそうな気もしたんですが、最後の謎は腰を落ち着けて考えないと解けなさそうな感じだし、港まで行ってから足りないことが分かったら悔しいので、寒さに震えながら西の河原まで戻ることに。奥尻島が小さい島で良かった。

フェリーターミナル

一日かけて島を一周して、ようやく出発地点まで戻ってきました。感慨を味わうより先に謎を解かねばならないと、2階にあるベラヴィスタという喫茶店に入りました。


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ここではパンケーキとホットコーヒーなんかを頼みましたが、いま調べてみたらここのシェフは札幌のイタリアレストランで修行した本格派で、奥尻の食材を使った「ヘラガニの濃厚トマトクリームパスタ」が名物なんだとか。ぐぬぬ、ここで昼にすれば良かったか。

最後の謎はちょっと難しく、現れた答えは「なるほどこれがこうなるのか!」と思わず唸らされる出来で良かったです。注文をつけたい部分もあるものの、概ね楽しめました。これがなかったらよらないスポットもあったし、時間に余裕があって自由に回れる人なら挑戦してみる価値はあるかも。

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旅の終わり

旅の相棒だった原付を返却してターミナルまで送ってもらい、帰りの船に乗り込みました。さらば、うにまる。

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行きは贅沢に1等のアイランドビューでしたが、帰りは2等指定席でした。

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運賃は1等の半額ですが、欠点は座席が少し小さくて前の景色が見えない(横は見えるがカーテンを開けると外の通路から丸見え)なことぐらいで、電源のUSBはあるし混んでないし、これで十分だと感じました。

帰りは昨日の荒れ模様が嘘のように穏やかな海で、ゆったりと爆睡しているうちに江差にたどり着きました。

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今回の旅行は思いつきで計画したせいでアレな部分もありましたが、原付で旅行したいという夢を叶えられて良かったです。フツーの観光地だと人や車が多すぎて危ないし。道内だったらまた乗ってみたいかな。GWじゃなくて夏に。

それと、いくら四方を海に囲まれていて特産品があろうとも、テキトーに入ればうまいものが食えるんだろうというのは考えが甘かった。満員だったから仕方ないけど、緑館のようにある程度需要が見込めてブランド力があるところでなければ、クオリティは望むべくもないのかも。キャパが小さいから黙っていたって埋まるわけだし、縮小再生産だけ考えればいい島では頑張る気にもならないだろうし。

彩風塘

帰りは厚沢部町うずら温泉にある彩風塘で〆。


ここは地元厚沢部産の野菜をふんだんに使った中華料理が自慢で、上品な味付けが好みです。函館市内の店舗がなくなったので久々に来ましたが、やはり美味しい。今回の旅で一番美味しいものを食べたかもw

厚沢部のさぶりメロンが取れる季節になったら買いに来るついでに温泉も入ろう。