潜水艦救難母艦「ちよだ」一般公開に行ってきました

夏は自衛隊の一般公開の季節。ということで今回は、潜水艦救難母艦「ちよだ」を見てきました。

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来年の4月には新型の「ちよだ」が就航されるのに伴い、現行の「ちよだ」はもうじき退役になるとのこと。これが最後のチャンスということで貴重な体験になりそうです。

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普通の護衛艦に比べると艦橋部分がかなり大きいですね。それはこの艦が潜水艦救難「母」艦たる所以である、深海救難艇、DSRVの格納庫があるからです。

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潜水艦を救うには潜水艦が必要、ということでしょうか。

入場してまずは艦橋に案内されます。急な階段をいくつも登ってたどり着くと、さすがの見晴らし。

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一緒に係留されている練習潜水艦「みちしお」が小さく見えます。練習という名前がついていますが以前はれっきとした制式潜水艦でした。そこらへんは空軍とは事情が違うんですね。

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計器にバウスラスターがあるのはこの前見た南極観測艦しらせに近いかも。というか全体的に似ています。ここで、あとは降りるだけと聞かされてなんだそんなもんかとちょっとガッカリ。

仕方がないので食堂を撮ったりしていたんですが、

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なんと嬉しいことに「ちよだ」の心臓部であるDDSまで見学ルートに含まれていました。

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説明を受けて初めて知ったのですが、潜水艦を助けるためにはやはり人間の手が必要になるとのこと。しかし潜水艦が沈んでいる深い海に人間がそのまま潜ることはできません。そこで、まずはこの船の中にあるDDCという設備の中で高圧にならし、水深100mなら10気圧、水深300mなら30気圧に順応させるそうです。その後カプセルに乗り移って海底に運ばれることになるとのこと。

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これがそのカプセルですね。一度高圧に順応させた後はしばらくDDSの中で生活することになるとのことで、なかなかに過酷。2日間の訓練でも一週間程度閉じ込められたままになるとのこと。

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この狭いところに最大6人とは。宇宙船より過酷かもしれない。っていうかカプセルもソユーズの帰還船にだいたい似てますね。

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トイレが丸見えなのはどうかと思うw

その後はヘリコプター発着甲板に出て、DSRVを見学して終了。

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幸いにしてこれまで日本では潜水艦の事故が発生したことはなく、「ちよだ」も本来の役割以外の活動が多いそうです。米軍が投棄した弾薬を探したりだとか、同型艦の「ちはや」はえひめ丸事故の際の引き上げ支援などを行っているとのこと。ですが訓練においては他国の救難艦がDSRVを下ろせないような悪天候の中でも活動できたりと、練度は相当高いとのことでした。

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すごい技術を持っていても使わないに越したことはないというのは自衛隊の装備全てに通じることですが、ちよだのDSRVもそうであってほしいものですね。

練習潜水艦「みちしお」

こちらはおまけの「みちしお」です。

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練習潜水艦とはいえ、やはり気密の塊なのでしょう。さすがに内部の公開はありませんでした。

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公開は明日まで

ちなみにこちらのイベントは、明日7月31日の9:00~11:00にも行われるとのこと。平日なのでなかなか厳しいですが、貴重な機会ですので時間があれば是非見ておきたいところです。

余談

ミリオタ&艦これ脳としては千代田は千歳の妹分なので、「ちよだ」の同型艦が「ちはや」なのが微妙に納得行かないw

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プラモも4年前に買ったっきり積んだままだ。いつか作りたい作りたいと思っているのだけど……。