からかい上手の高木さんを語る時に「JC」という用語はふさわしいのか

いま最も続刊を楽しみにしているマンガ、からかい上手の高木さんがアニメ化するということで、まずはおめでたい。絶対見る。

natalie.mu

だけどこの記事の見出し、「思わせぶりJC」にはものすごい違和感があるんですよ。ヒロインでが女子中学生だからといって、安直に「JC」という用語を使って良いものなのだろうか、と。

個人的なイメージでは、JD、JK、JCというような略語、というか隠語を使う状況は、おっさんが若い女の子を欲望が入り交じった薄汚い目で見つめる時なんじゃないかと思うのです。アイデンティティを取り払って、制服を着た若い子(女子大生は制服を着ないけれど)という属性だけ、それだけが必要とされる状況でこそ使われるべき用語だというイメージがあります。

なのでこのタイトルを見ると、この記事を書いた記者が「ほら女子中学生だよ、JCだよ、ロリータだよ、おまえらこーゆーの好きだろ?」というゲスな目線で高木さんを見ているように感じられて、なんだか微妙に嫌な気持ちになりました。

なんというか、自分が好きな子を誰かがオナペットにしているというのを聞いたような、そんな気持ち。大事なものを汚されたような感じ。

凡百の萌マンガとは一線を画す

先日ジャンプのマンガがエロすぎるとして話題になっていましたが、

togetter.com

個人的には少年漫画に胸ムニュがあろうが特に問題は無いと思うんですよ。ラッキースケベ結構じゃありませんか。

だけどそれはそれとして、高木さんはそーゆー、安易で子供向けの萌えマンガとはジャンルが違う、と力強く言いたい。子どもがエッチな描写を見て喜ぶのとも違うし、さっき言ったようにおっさんが鼻の下を伸ばして若い子を見るのとも違う。

あたかも自分が男子中学生になったかのような目線。バカで単純だった中学生の自分を、いつも高木さんにからかわれている主人公に重ねて「自分もこんな風に高木さんにやりこめられたい!(やりこめられたかった!)」と心から思わせる、そういうところが一番の魅力だと思っています。作品にスマホやパソコンなどの現代の機器がほとんど登場しなかったり、砂利道やあぜ道、空き地が残るのどかな風景を通学するのもすべて、読み手を過去に引き戻すための手段なわけで。

だから、読んでいる時は高木さんを女子中学生だとは思わずに、自分の同級生だと思っている。中学生が自分のクラスメートの女の子を見て「JCだ」とか言わないでしょ?! そういうことですよ。

高木さんはそーゆーんじゃねえんだよ!

極論を言えば高木さんには、女子中学生という属性は必要ないんですよね。それは第5巻に登場した、10年後の高木さんの姿を見れば分かる通り。

f:id:Red-Comet:20170712195829p:plain

すなわち彼女は、女子高生だろうが大学生であろうが、母親になっても「からかい上手の高木さん」という属性を常に持ち続けている。なので言ってみればこの作品で彼女が女子中学生であるのは一つの小道具にすぎない。中学生だからできないこと、やらないことを制約にして、大人じゃないことを武器にして、作品に深みを持たせているのです。

だから、単なる「女子中学生が出てくるマンガ」として捉えられると主従が逆転してしまう。アニメ化は嬉しいけれど、そこに非常に違和感を抱いたというわけでした。

高木さんはいいぞ

アニメ化前に是非読んでいただきたく。

こそばゆくって地面をのたうち回ることうけあいです。

そして8月に出る最新刊の第6巻は、アニメ化を記念してかどうかは分かりませんが、なんとフィギュアつきの限定版が出るとのこと!!!

いつでも読みたいので基本Kindleで買っているんですが、これは両方とも買うパターンかな。

f:id:Red-Comet:20170712202240p:plain

なんだかんだ言ってたけどフィギュアはかなり性的な感じがするな。いやまあ、これはこれでいいんじゃないでしょうか(ポチッとな