阿佐利本店で、すき焼きを食べてきました
記念日なのでちょっと贅沢に、すき焼きの阿さ利に行ってきました。地元では超が着くほどの有名店ですが、自分は今回が初訪問になります。予約の電話を入れたところ19時に行くつもりがその時間は満員で、19時30分からなら席が作れるというあたりに人気のほどを感じました。
この伝統的なたたずまいを見てしまうとテンションが上りますね! 和服を着たお姉さんに案内された部屋もレトロ感が漂っていて素敵です。
どのコースにするべきか
ここ阿佐利では、すき焼きのコースは松竹梅の三種類に別れています。まず最初の迷いどころはここですね。最初だから無難に梅で、という選択肢もありうるけれど、肉の格がちょっと違うんですよね。図表化するとこのような感じになります。
すき焼きお食事 | 価格 | 上との差額 | 肉の種類 |
---|---|---|---|
梅コース | 2,600 | A2~A3のリブロース | |
竹コース | 3,300 | +700 | A5のリブロース |
松コース | 3,900 | +600 | A5のサーロイン |
こうして眺めてみると、やはり店のウリはA5ランクのお肉ですよねやっぱし。というわけで竹か松にしたいところなんですが、リブロースとサーロインってどこにあるんだ? と思い、先日行った黒べこで撮った写真を開いてみました。
肩ロースの後ろがリブロースで、さらにその後ろの腰のあたりがサーロインなんですね。なんだ、ほとんど近いじゃない。これは誤差の範囲内ですね。ここはひとつ中庸を、ということで竹を選択。足りなければ松コースとの差額の600円を念頭に置いて肉を追加していこう、という柔軟なスタンスです。
セットを頼むと野菜もついてきます。
そのほかに卵があって、あとはご飯かうどんを選ぶことになるんですが、ここでオススメしたいのが「ご飯もうどんも」注文しておくことです。一つは追加でお願いするということですね。
肉を食べるなら当然ご飯が欲しくなるところ。ところが締めのうどんも外せない。だけど後からうどんを頼むと茹でてから持ってくるので5、6分ぐらいのタイムラグが発生しちゃうんですよね。なのでここは早め早めに注文しておくのが吉だと思いました(経験談)。
お肉様のご登場
美しき肉が鍋の上に大輪の花を咲かせています。
肉食をする人でこの光景に感動しない人がいないわけがない。
割り下と出汁を煮立たせたらまずは野菜を煮て、玉ねぎが透き通ったあたりで肉を入れて、半分ぐらい火が通ったところで食べるのがこの店の流儀だそうで、先に肉を焼くとか色々と面倒でないのは楽だし、店員さんがしょっちゅう顔を出すこともないため会話を邪魔されないところが逆に良かったです。
残り半分になった肉。
しらたきの上で煮られた肉(固くない)。
あんなにサシが入っていたのにくどみが全くないんですよね~。肉の脂は煮汁に適度に溶け出して、食べやすくなった肉の旨味を存分に味わうシステム。
すき焼きはある程度年を取って、焼肉に行っても「もうそろそろカルビはきついかもしれん」という人向けの食べ物なのかもしれませんね。脂でギットリは胃袋に辛すぎる。こってりのサッパリ寄りぐらいのところですかね。油が染み出た煮汁が染み込んだ野菜もたっぷりと食べられてヘルシーだし、味が濃いのも卵がまろやかにしてしまうし。牛。
お酒は木古内町の「みそぎの舞」。辛口でキリッとしていて肉に合います。本当はもっと濃くて甘い日本酒が好みなんですが、北海道米を使っている以上こうなってしまうし、でもすき焼きと一緒に飲むにはむしろベストマッチ。果物のような香りもするし、さっぱりとしていて飲みやすく、なかなか良いお酒でした。
肉をあらかた食べ終えたところでまだお腹が6分目から7分目といったところだったので追加注文をば。
お代わり限定だという、追加注文でなければ食べられないA4ランクの前サンカク(2,000円)を一人前。松コースにするか竹コース&前サンカクにするかは良い勝負になりそうですね。
赤身の肉の美味しさはロースとはまた違っていて、肉の味が濃いんです。そう、肉の味だけなら赤身のほうが強い。ジューシー。
でも脂の旨さだったらロースだし、牛肉を食べる以上その評価軸は絶対なわけです。ところがこのタイミングで赤肉を注文すれば、脂が十分に溶け込んだ煮汁を吸って旨味分がパワーアップされちゃうんですよ。赤身肉のジューシーさに脂の旨味が加わったハイブリット。これはもう、お肉界のプリウスPHVだと言っても過言ではないのかな、と。
追加の卵は双子でした。これはついてるね!
そして前述のうどんも〆に注文。すき焼きにはうどん。うどんが白いのは「あなた色に染まります」ってことだと思うんですよ。蕎麦もパスタもラーメンも、麺自体の自己主張が激しくって、それ自体が独立した存在としてスープの中に収まっている。だけどうどんの場合は煮込みうどんに代表されるように、汁を吸って汁色に変わってこそ真価が発揮されるんですよ。
あらゆる食材の旨味が溶け出た鍋の汁。かといって汁だけゴクゴク飲むには味が濃すぎてしまう。ご飯にかけて食べるのは(美味しいけれど)行儀が悪い。そこに現れた救世主がうどんなんですよね。言ってみれば、汁という概念に形を与える役割を果たすのがうどんなのかもしれません。そもそも古来饂飩は混沌であったわけですしね。
というわけで、阿佐利本店でのすき焼き体験は最高でした。次は松を頼もうかな。それともお得にランチで楽しんでしまおうか。
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肉美味い。近いうちにまた肉を食べに行く予定。食べすぎて太らないようにしなければ……。