はじめてのヨーロッパ 〜ガウディとダリを訪ねて〜 Part7

バルセロナは最終日も晴れていた。夜に霧が出ること以外は、雨もふらず天候に恵まれていてラッキー。日頃の行いが良いせいだねえ。
 
フロントにタクシーを呼んでもらって空港へ。
「コールタクシープリーズ!」
スペインでは結局ほとんどスペイン語を使わなかった。つたない英語でもなんとかなればなんとかなる。いい時代です。
そういえばスペインでは全然危ない目に合わなかった。そーゆーところに足を向けないようにしていたというのもあるけれど、少なくともネットで調べていたよりも安全な雰囲気。首締め強盗も難民も物乞い*1もいない。時代はどんどん良くなっている。
 

スペインのマクドナルド

空港に着いて、昨日の昼から何も食べていなかったし、朝ごはんをどこかで食べようか、ということになった。空港にはタパスと、サンドイッチなどの軽食、そしてマクドナルドがある。
一番混んでいるのがマック。しかしスペインでマック・・・? わざわざ外国まで来て、とも思ったけれど、日本のと食べ比べしてみるのも悪くない。それに、空港のご飯って高い割にあんまり美味しくないイメージがある。成田でもマックは激込みだったなあ。
列に並びながらメニューを物色して、McRoyalという日本では見ないメニューを選んだ。

おお!実物が見本とおんなじだ!という点にまず驚く(日本とは違う)。見た目からして美味しそうだ。そしてチーズがやけに黄色い。
かぶりつくと肉の味がじゅわ〜っと染み出してきて美味しい。チーズはやはり日本のものより濃厚で、肉の味に負けていない。バンズも全然違う気がするぞ・・・。裏面をさっくりと焼いてあって食感がいい。なんだこりゃ。別物か。やはり闘牛で殺された牛は味が違う(お
だけどポテトは日本のほうが美味しい。原材料の違いか揚げ方なのか。黙ってるとコーラがものすごい量で出てくるのはさすが海外だ。成田空港でマックに並んでいるのを見て、「これから美味しい物いっぱい食べられるのに」と冷たい目で見ていたけれど、世界のマックと食べ比べるためだったら一理あるのかもしれない。
 
スペインといえば魚介類だと言われているけど、実は肉や乳製品が美味しい。自分が港町に住んでいるのでよっぽど美味しい魚を食べても感動が薄いのかもしれないけど、いま思い出してもスペインの肉とチーズは美味しかった。
おとといのタパスで食べたマッシュルーム乗せのハンバーガーのことを思い出す。もう一個どう?と聞かれた時に素直に食べておけば良かったなあ。あれこそが絶品バーガーだ。 
 

再びスキポール空港

スペインからオランダまでは約3時間。北海道から東京まで行くのと同じくらいの感覚だ。それは気候もおんなじで、ポカポカ陽気のバルセロナに比べてやはり結構しっとりと寒い。
今回もカジノやきらびやかなおみやげ屋さんをパスしてすぐに空港を出る。また明日来るからね〜。
 
空港からアムステルダムまでは鉄道で向かうので、空港内にあるチケット販売機に並んだ。
操作しているのは金髪のお姉さんで、その後ろにはパンク風の兄ちゃん2人が並んでいて僕らは三番手。なのだがなかなか進まない。切符ごときに何を悩んでいるのか、と思うけど全然操作できないらしく、パンク兄ちゃんがイライラしだしてので、お姉ちゃんは「Oh!」とばかりに両手を上げて行ってしまった。
機械のトラブルだったのか、ともかく駅に行けばもっと機械があるだろうからと僕らも駅に向かった。駅に進むと思った通り券売機がたくさん並んでいたので、早速切符を買ってみることにした。
 

魔の券売機

まずは言語を英語にして、おいおい、なんでこんなに項目が多いんだ。
一番上が近距離っぽいぞ。
次はなんだ? 通常料金かディスカウントか、だって? 条件がよくわからないから通常で、と。
行き先はアムステルダムセンター、と。
何等車がいいですか?だと。二等車二等車。
まだあるのか!  割増料金で早いルートを選べますだって!? 知らねーよ。早いほうでいいよ。
本日限りかいつでも使えるか、とかいちいち選ばせるんですかそうですか。
選ぶのだけでもう疲れたよパトラッシュ・・・。これで最後だな。支払方法を選べ、と。えーと、コインかプリカかクレジットカード...。紙幣が使えないってどーゆーこと(*_*)
オランダ人は切符をコインで払えるぐらいジャラジャラと持ち歩いているの? 財布じゃなくてRPGみたいに革袋にコインを入れて持ち歩かないとならないやんか。
仕方なくクレジットカードを選んで、と、差込口が無い。どこにいれるの? このレールみたいのに挟んで挿入? よいしょっと
「エラーです!」
うまく読み込めなかったらしい。もう一度だ!
タイムアウトです!」
あほかー!!!
 
このあと2回トライして2回とも失敗。ぐぬぬ。帰ってからクレカの明細見たらしっかり引き落とされているし! 意味がわからん(~_~メ)
諦めて窓口に並んだら、閑散としていた券売機周りとは打って変わって長蛇の列。オランダ人も使いにくいとわかっていればもっと使いやすいインターフェースにすればいいのに。窓口のおばちゃんに、
アムステルダムセンター ツー!」
とVサインで叫んだら切符が二枚買えた。さっきの膨大な選択肢って一体・・・?
 
それにしてもひどいUIだった。どう考えても最初は目的地を選ばせるべきだろう。オプション項目は一番普通のをデフォルト値にしておいて(当日・通常料金・二等車など)、変えたい人だけ変更するようにした方が絶対いいはず。日本に帰って羽田で京急に乗った時は感動したなあ。

アムステルダム中央駅へ

列車は快適。早いし静かでぐんぐん進んでアムステルダムへ。アムステルダムまではバスやタクシーもあるけど、普通に窓口で切符を買って鉄道を利用するのが一番楽だ。
ガイドブックには2時間に一本とか書いてあったけど全然そんなことはなく、15分に1本は走っていた。編集者が例の複雑怪奇なダイヤを読めなかったのかもしれない。同じガイドに書かれていたお得な切符もすでに売られていなかった。情報が古い。オランダのガイドブックはベルギーとセットになっていて情報があまりなかったので仕方ないかもしれない。
 
終点までは20分くらい。列車を降りてホームからそのまま駅構内へ入る。あれ?改札は?
駅の出口には「ピ」ってプリカ的なものをタッチして出ていく機械があったけど、切符を吸い込む機械は無い。
おかしいぞ、横にあるのかな?と出口を回り込むと、ゲートすら無く素通りできるようになっていた。うはー。そういえば入口もそのまま通ってきたぞ。
あとで調べてみると、オランダでは改札がないかわり、無賃乗車が判明すると35ユーロ+運賃分の罰金を取られるらしい。空港から中央駅まで7ユーロくらいだったので、6回に1回捕まえれば問題ない、という計算なんだろう。ものすごい合理主義だ。僕らが往復した2回とも車掌が回ってくることはなかったので、物は試しと無賃乗車してみるのも手だったかもしれない。
 

混沌のアムステルダム


駅から一歩出るとそこは古き良きヨーロッパの街並みが一望できる、けど、それよりもすごい人!そしてすごい自転車!そしてすごいバスと路面電車と車!そして運河! 目に入ってくる情報量が多すぎる。あらゆるなにかを一箇所に集めたかのようなぐちゃまらな空間。うひゃー。
合理性に裏付けされた無秩序、とでも言えばいいのだろうか。あらゆるものが好き勝手にしているようで、だけどちゃんと機能している。電車の軌道を人が歩く。後ろから警笛を鳴らされたらどける。車道を勝手に横断する。横断されることを前提に車が走る。極めて個人主義的で面白い。
さて、荷物を置いたらアムステルダム探検だ! うふふふふ。

*1:サグラダ・ファミリア前にちょっとだけ座っていただけ