涼宮ハルヒの消失

というわけで1泊2日の消失ツアーより帰還致しました。それだけが目的ではないといえ、我ながらよく行くものだとあきれます。

第二の目的だった雪ミクですが、限定フィギュアの方は限定500体が販売開始10分で完売するという異常事態となっていたので雪像を見ただけで満足。人から頼まれていたからという部分が大きかったので、無理に買う必要もなかったし。この辺境の地でここまで過激に売れるとは想像もしなかったため、危うく栄町駅まで出かけるところを、先に完売情報を2chで仕入れていたため事なきを得ました。まさに科学の勝利ですよ。
 
では、生徒会の一存雪像の後から涼宮ハルヒの消失の感想です。ネタバレが含まれますので未見の方はご注意あれ。

 

感想

ひとことで言って期待以上の名作でした。3時間もあるの!?って最初は驚いたけど、見終わってみるとあっという間でした。
原作も読んでないし、事前情報をまったく入れずに見たため、ハルヒが消失した世界にひとり取り残されたキョンの不安感を心の底から味わうことができました。アニメは原作を読まないで見るのが一番です(^^

ハルヒの代わりにかつて自分を殺そうとした朝倉が居座っている世界で、国木田も、みくるちゃんも鶴屋さんも、頼みの綱の長門でさえも自分のことを否定する。全世界から否定されてもなお、ハルヒがいた世界があったことを信じて疑わないキョンのまっすぐな気持ちが一途ですごく良かった。
映画を観る普通の人からしたら「なぜ長門を選ばん!」ってなるのは普通だと思うんだけど、だって長門かわいいしめっちゃラブラブ光線出してるし。でもそれを上回ってキョンハルヒへの思いが強いのは、僕ら視聴者には体験できない、二人が過ごしてきた体験と時間の重みがあるからなんだよね。
で、長門がまさに我々の立場を代弁しているからめちゃくちゃ感情移入できちゃう。自分に好きな人がいて、でもその人は他の人のことが好きだったときに、自分の思いがどんなに強かろうが二人の前ではまったくの無力だけれど、長門みたいな世界を改変する力を持ってしてもまったく同じだというのがまた切ない。
その「片想いの切なさ」を表すキーワードがふんだんに敷き詰められていて容赦がない。特にラストシーンでの長門キョンのやりとりといったら、思い出しても目がうるうるしてしまいます。
 
ストーリー以上に映像がしっかりしていて感動しました。キャラの表情だけでなく、カメラワーク、構図、小道具すべてが計算され尽くしていて無駄がない。超映画批評の前田有一さんがこんなことを書いていたのがすごくよく分かります。

じつに見事な演出である。悔しいが、実写の日本映画でこれほどの演出技法を見る機会は極めて少ない。
現在、テレビドラマの安直な映画化が乱発されている。そしてアニメーションも、エヴァンゲリオン劇場版の大ヒットにより、本作のようなマニア向け作品の劇場版企画が通りやすくなっている。案外手堅い商売だということに、業界が気づいたためだ。
だが、テレビドラマの映画版はそろって排泄物のような出来なのに、アニメの方は比較的クオリティが高い。
超映画批評『涼宮ハルヒの消失』80点(100点満点中)

たしかに、最近のアニメの計算され尽くした構図は、今のドラマとか日本映画には無理な領域だよなあ・・・と思います。とにかくカメラがひどいもんなあ・・・。
 
関係ない話だけど正月にやってた「格付け」で、どっちが映画監督がとったビデオクリップでしょうか? という質問に泉ピン子
「絶対こっち。もし間違ってたら女優やめてもいい!」
とまで断言したのが素人の作品の方だったんだけど、自分が見てもその映画監督の映像はひどいもんでした。手持ちカメラで視野狭窄みたいな映像をとってそれがリアルと言われるようじゃダメだよねえ。