麻雀放浪記

正月に放送されていた麻雀放浪記を見た。

原作は読んでいたけど、映画もめちゃくちゃ面白かった。フィリップ・マーロウとか読むと「外国の探偵はかっこいいねえ。それに比べて日本は・・・」と思っちゃうんだけど、この舞台となっている終戦直後の日本に暮らす博徒たちの生き方はハードボイルドそのものだ。刹那的で、死と隣り合わせにいて、そのことをなんとも思っていない。倫理的にはとんでもない人間ばっかりだけど、そういうギリギリの生き方にシビれた。
 
どの登場人物もカッコイイのだが、筆頭は鹿賀丈史演じるところの”ドサ健”だろう。博打のカタに家屋敷を抵当に入れるどころか、イカサマに破れ一文無しになったあとで再戦の機会があるや、種銭を作るため女に「女郎になれ」と言い捨てる。そんな度胸はある癖に蛾にはめっぽう弱いところを見せるなど、ニヒリズムの裏側にある、人間としてのどうしようもなさも引き出されていた。
カイジとかライアーゲームとか嘘喰いとかも面白いんだけど、やっぱり今風なんだよね。理詰めで考えている。いい博打ができたら死のうが生きようがどうでもいい、という捨鉢なところに、この映画の面白さがあるんだと感じた。
 
映像も重厚で素晴らしいんだよねえ・・・。もうCGとか使うのやめようぜ。