順位戦B級1組 ▲松尾学七段VS△渡辺明竜王

昨日は忘年会だったため終局後に観戦。
手損無しのスタンダード角換わりから先後同型となってこの局面。

▲2六飛に対して渡辺は△3五銀▲2九飛△3六銀と新手を出した。桂を狙って調子はいいけど、すぐに▲2五桂と逃げられたら銀が空振りしちゃうんじゃない?と思った。いくらなんでも欲張りすぎでしょ、と。

ここまで進むと先手がさばけ形で、後手から攻めるにしても持ち駒が角桂歩だけでは結構厳しいんじゃないの? と思っていたら、△8六歩・△8八歩から攻めて一気に寄せきってしまった・・・。いやいやいや。そんなもんなの!? この局面でどっちが勝つとか決まってるのプロは!?
いや、少なくとも松尾七段はそう思っていたわけじゃないだろうし、さっきの局面はどう見ても先手まだまだに見えるんだけど・・・。
なんというか、魔法を見せられたような一局だった。
 
これで渡辺竜王は対戦成績を7勝2敗とし、久保棋王に次ぐ単独2位にたつことができた。だが次は現在6勝3敗の行方七段、さらにその次は苦手の深浦王位(こちらも6勝3敗)との戦いを控えており、まだ昇格まで予断を許さない状況だ。
竜王戦が終わってほっと一息と言うところだろうけど、残りの3局も全力で勝ち抜いて欲しいです。