第68期順位戦B級1組3回戦

注目のB級1組は今回が3回戦。快進撃を続ける3人に絞って観戦した。
 

渡辺竜王−豊川七段戦

豊川七段の2手目3二金、4手目4一玉という工夫した出だしに対し、渡辺竜王は早繰り銀から堂々と迎え撃って快勝。格の違いを感じさせる一局だった。

4六の銀をここに引いたのに対して豊川七段は6四角と打ったが、相手の持ち角を銀の動きだけで手放させたことが大きな差を生んだように感じた。
 
渡辺竜王はこれで3連勝。序盤でつまづいた前期と比べるとロケットスタートを切ったという印象だけど、ライバルが手ごわい上に彼らも白星を重ねているだけに、ここらへんで星を取りこぼしていてはA級昇格は難しいと思われる。第6回戦の山崎七段戦までは連勝してほしい。
 

鈴木八段−山崎七段戦

その山崎七段はハチワンダイバーの監修でおなじみ鈴木八段と対戦。
山崎七段が右玉から広い玉形を生かして鈴木八段の穴熊を姿焼き。中盤の膠着状態にじれた鈴木八段が打開を図ったところから一気に勝負が決まった感じだった。これで山崎七段も3連勝。
 

松尾七段−深浦王位戦

穴熊から松尾七段が仕掛けたが攻めが切れて投了。角を切っての強襲は相手が穴熊では無理筋だろうなと思っていたが、予想通り深浦王位が守りきった。
 
昇格争いはタイトルホルダーの3人に加え、山崎七段を加えた4人で争われそうだ。この4強がぶつかり合ってからがB級1組の見どころになるだろうと思う。次回4回戦での山崎−久保戦は要注目だ。