閉ざす力

”殺しのライセンス”ならぬ”表現のライセンス”を発行すべきだ!
 

封印作品の謎

封印作品の謎―ウルトラセブンからブラック・ジャックまで (だいわ文庫)

封印作品の謎―ウルトラセブンからブラック・ジャックまで (だいわ文庫)

ブラックジャックは好きなマンガのひとつだけど、『快楽の座』という封印作品があることは知らなかった(『植物人間』はロボトミー関係で知ってた)。今度東京に行ったときには、国会図書館で連載作品を読もう。
「医療関係者からのクレームが多いため病気について書けなくなり、ブラックジャックが単なる救急医療になってしまったので書くのをやめた」という理由が悲しすぎる。あれだけの天才に自由に書かせることができないなんて間違っている。
出版社は営利企業だから圧力を受けて差し止めざるを得ないときもあろう。NHKならぬNMK(日本漫画協会)を設立し、国家として表現の自由を保護していくべきではなかろうかね。
 
はてな年間100冊読書クラブ 191/229)
 

よつばと

[rakuten:book:11185842:detail]
はじめてあずまきよひこを読んだけど、なにこれすごい。よつばの自由奔放さが可愛らしくも恐ろしい。人間の根源そのもののようなフリーダムさが恐い。よつばは神様なんだろうな。よつばを通して子どもの無敵さ、神様らしさを表現しているんだと思った。だから面白いし、読んでいて顔はほころぶけれど、どこかに空恐ろしさを感じてしまう。
特に2巻では「早坂みうら」の存在が恐かった。よつばの描いた絵を
「ヘタ」
と言い切ってしまうみうら。その瞬間なにか、人間にとってはかなく大事ななにかが壊れてしまうような気がして恐ろしかった。子どもの持つ残酷さも神性の一部だと分かるけど、恐い。
一見かわいらしい絵に騙されそうだけど、その奥に潜む深遠なものにすっかり魅せられてしまった。あずまんが大王もこんなマンガなんだろうか。こっちを読み終わったら手を出そう。