今日はマンガから

 

ヌイグルメン!

ヌイグルメン!(1) (KCデラックス)

ヌイグルメン!(1) (KCデラックス)

連載開始から注目していたけど、この連載には唐沢なをきの本気がこもっている。線も絵も一筆入魂で、15年来のファンとしては「ようやく好きなものを書いて商売になるぐらいメジャーになったのだな」と感慨ひとしおである(←偉そう)。
登場人物はみんな軽く変態で、それぞれでの変態ならではの愛で特撮を支えている構図が微笑ましい。マンガ極道が露悪的に漫画界の黒い面を突いていくのとは好対照だと感じた。そこらへんが生計を立てる手段と趣味との大きな違いなのかもしれないのな。
 

PRESENT FOR ME 石黒正数短編集

Present for me 石黒正数短編集 (ヤングキングコミックス)

Present for me 石黒正数短編集 (ヤングキングコミックス)

デビュー作読んだな〜。懐かしい。
どの短編も実験的な笑いが散りばめられていて、それが現在の作品に発展的に生かされているのが分かる。シュールでもベタでもない不思議な面白さ。そして「なげなわチャージ」。
 

晴れた空にくじら

大西科学のジョン平に続く新作。
今作では『浮珠』という理由は分からないけど浮く球が鍵(というか、我々の世界との唯一の違いがそこなんだけど)になっていて、それを使って空を飛ぶ乗り物が登場するんだけど、浮珠が生じる浮力と重りをバランスさせて浮く計算や理論が緻密で楽しい。これはまさに、大西科学らしい「科学に裏打ちされた不思議」の世界観というか、「もし現実にひとつだけエッセンスを加えたら」という仮定を細かく詰めていく姿勢が楽しい。
盛り上がりまで結構長いのがちょっと難点。シリーズを通してみれば良い分量なのかもしれないけど、理系は説明がくどい。
はてな年間100冊読書クラブ 168/200)
 

ブコメ今昔

ラブコメ今昔

ラブコメ今昔

自衛隊員の恋愛話にどんな需要がっ! と突っ込みを入れつつも、結構楽しめた。ベタ甘な展開でありつつも軍隊味というか、いつ死ぬかも分からない、だから/だけど人を愛したい、というド直球なテーマはある意味で王道なのだなと。
完全な短編になっているのがちょっと惜しい。横のつながりもあればもう少し楽しめたのだが。
はてな年間100冊読書クラブ 169/200)