ありきたりの風景
- 作者: 山本兼一
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/05
- メディア: 単行本
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新撰組が出るってだけで面白ポイントを稼いでいて、肝心の”千両”部分が弱かったのははっきりとダメ。普通に奥さんの千両っぷりを押し出していけばいいのに、旦那にリベンジさせたり変な特技(しかも当たらない)を出したりして、面白の密度を薄めてしまっている。これだと『奥さんを逆恨みした侍に旦那が意趣返しする話』で終わってしまう。変に現実のもの(新撰組)を持ってきたせいで現実の枠組みに狭められてしまった感があります。
それにしても今回の直木賞団はこじんまりだなぁ。ゴールデンスランバーがあれば・・・。おもしろいのもあるけれど、前回が血で血を洗うような荒々しい作品揃いだったのでなおさらそんな印象を受けます。のぼうの城に期待。
130/200