温故知新といえば
海外SFだ。古いどころかむしろ現在でもバリバリ通用するものが多くて驚く。
- 作者: アルフレッド・ベスター,中田耕治
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1978/01
- メディア: 文庫
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その大作家とは石ノ森章太郎。怒りで主人公の顔に文様が浮き上がるのは仮面ライダー、加速装置はサイボーグ009である。これがどこかの999氏ならば顔を真っ赤にして怒鳴り込むことだろうが、この場合はむしろベスターの昇華し切れなかったアイデアを石ノ森氏が完成させた、と見るのが正しいだろう。
読後に思ったのは作者に悪いが自分の脳のイメージ力の凄さだった。これが映画だったら古さも感じただろうしテクノロジーによる表現力不足もあったろう。小説というジャンルがある意味卑怯なのは、いくらでも足りないものを脳内補完できることだ。それだけイメージを沸き起こさせる力が作家の腕の見せ所なのだが、これだけ技術が進歩してもマンガが普及しても小説が今でも(しかも若年層に)読まれているのは、どんなメディアよりも頭の中の映像の方が優れている証拠なのだろう。
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