丸駒温泉旅館

義父の還暦のお祝いにちょっと贅沢な旅館に泊まろうということで宿のチョイスをまかされたので、かねてから気にしていた支笏湖の丸駒温泉に行ってきました。
国道から街灯の無い道を3kmほど入った支笏湖温泉街から大分離れた一軒屋で、まさに秘湯と言う雰囲気です。大正時代にオープンした時には船しか交通手段が無かったとか。自腹では到底行きそうに無い敷居の高さです(笑)
 
宿に到着してまず
「日帰り入浴ですか?」
と聞かれたのはご愛嬌。ロビーで義父母の到着を待っているとレクサスやらベンツやら高級車がばんばん入ってくるのが見えたし。
Willcomは当然圏外だろうと高をくくっていたらアンテナが立ってる! 早速メールチェックだ、とnpopを起動させるも通信できずすぐに圏外になってしまいます。試しに116に電話をかけてみてもダメ。多分対岸のアンテナの電波がこっちまで届いているんだけど、こちらからは出力が弱すぎて届かない状態なんでしょう。とんだぬか喜びでした。
 

天然露天風呂

荷物を部屋に下ろしたら、お目当ては天然露天風呂です。これは湖と繋がっているため、湖の水位にあわせて温泉の深さも変わるというもの。
脱衣所から15mほど通路を進まないといけないということで、スリッパを履いて浴衣を着て天然露天風呂の脱衣場で着替えた方が良いと聞かされていたのですが、実際は通路がしっかりとしていたので冬でもなければはだしで裸に手ぬぐいとバスタオルを持って行くだけで十分でしょう。

この日は膝立ちでちょうど肩の辺りまで来るくらいだったのでだいたい1mくらいかな? お湯はぬるめ。底からお湯が出ているということですが、奥のほうに進んだほうが温かい。
年に一度だけしか清掃する機会が無いというので浴槽部分の岩はヌルっとしていて、湖特有の匂いもあるので神経質な人には無理かもしれません。一緒にいた偉そうなおっさんは「わざわざカナガナからきたんだぞ」と不満ぷりぷりでした。
自分的には背後の崖から鬱蒼と生い茂った木の枝が天然の天井になっていたり、立ち上がればすぐそこに湖が見えたりと、そういうところも含めて「野趣あふれる」と思えたのでOKでした。
 

大浴場&展望露天風呂

こちらはお湯は鉄分をたくさん含んでいるようで赤っ茶けて濁っており、無色透明だった天然露天風呂とは対照的です。内風呂は浴槽が3種類あって、それぞれ温度が違います。一番奥は44度くらい? 熱くてほとんど入れません。そんなに広くは無いけど、客室の数から見たらちょうどいいくらいです。
展望露天風呂が最高でした。目前に広がる支笏湖と風不死山を眺めていると時間がたつのを忘れてしまいます。先ほどのカナガワのおっさんも「長野の志賀山温泉に負けないぐらいいいな」などとご満悦の様子。
眺めもいいのですが、『自然の中にいる!』という感覚が素晴らしかったです。ヌーディストの人の気持ちがちょっと分かったかも。全裸で湖畔に立つ経験ってなかなかできません。
 

夕食

今回は『家族記念日』というパックで予約をしたのですが、夕食時にワインが一瓶と船盛りがついてくるのです! 超お徳!

どの料理もおいしかったけど、温かい料理が少なくてちょっと冷えました。季節柄しかたないか。
 

露天風呂付き貸切風呂

冷えた体を暖めるためにもう一度お風呂へ。今回のパックには通常2,500円する貸しきり露天風呂もついているのでした。本当にお徳です。
夜景をつまみに隠し持ってきたビールを飲むと、贅沢気分が身に染みます。惜しむらくは天気。晴れていれば周りに人家がない分、星空がきれいだったことだろうと思います。
 

天然露天風呂 リベンジ

お風呂は午前4時からやっているとの事だったので、気合を入れて早起きしてダッシュで露天風呂へ向かいました。思惑通り貸し切り状態!! 泳いだり潜ったりと遊んでいたら足音が。考えることは誰しも同じらしく、わずか10分ほどで楽園は終了時間を迎えました。入れ替わるようにして外へ。
 

感想

老舗ならではのゴージャスではないけれど高級なおもてなしを受けて、本当に贅沢な気分になれました。義父母も「『どんど晴れ』に出てくる旅館のようだった」と喜んでくれたし大満足です。本当に素晴らしい旅館でした。