パーツはいいんだけど

下馬評では直木賞候補No.1と言われていたけど、どうも話に入っていくことができませんでした。

玻璃の天

玻璃の天

一つ一つのディテールは良く出来ているんですが、組み合わせるとチグハグな印象を受けてしまう。普段は兄にデパートに連れて行ってもらえると聞いて「おうれー」(嬉しい、の意)と心の中で叫んでしまうような女の子だった主人公が、パーティーで軍人相手に国家論を滔滔と弁舌する様子が結びつかない。そのせいで良く出来たシーンがどれもとってつけたように感じられました。
前作を読めばそこらへんの舞台背景も良く分かるのかも。でも明治時代の人物の言葉を借りて世評を切りたいだけなのかなという感じもするのでちょっと苦手な作風でした。
 
あとは吉原手引草で直木賞ノミネート作全部読みです。がんばるぞ〜。
44/100