これを待ってた!

桜庭一樹といえば女の年代記。『七竈』『赤朽葉』と続いて、ここに来てその完成形を見た気がします。合わなかったピースがぴたっと収まった、読了後にそんな気持ちがしました。

青年のための読書クラブ

青年のための読書クラブ

華やかな女子高の中にあって、常に日陰の存在である読書クラブの物語。一人称は「ぼく」。理屈先行の異形な(笑)女子高生たち。青春時代をそんな怖いお姉さま方の小脇で過ごしてきた自分にとっては思い入れもひとしおでした。
部活っていうのは一種の家族のようなもので、そんな擬似家族の血脈の繋がりがうまく表現されていて、しかもそれが女子高の中で展開されるという密閉感によってそれが強調されている気がしました。個人的には今年のベスト5に入る作品です。
 
42/100